笑いについて

 お笑いモンスター明石家さんまさんは「笑いは緊張と緩和だ」といわれた。
 ここで、私自身がお笑いについて考えたことを書いておきたい。

 私は、笑いのキッカケのひとつに「潜在的な共通認識の突然の表面化」というものがあると思う。
それも、認識しているようでしていないような微妙な認識の表面化だ。

 Twitterなどで見られる「〇〇に親殺されたんか?」という語句も、私のいうキッカケに分類される。
「このひと、やけに〇〇に対して恨みを持っているな」という、常々頭にあるものでもなく、しかしながら脳のどこかにずっと記憶されているような認識。

 これが当該ツイートにより言語として提示されるのを見て、輪郭が急速にハッキリし、あるいは記憶の中から飛び出して目の前にあらわれる快楽で、クスッときてしまうのではないか、というのである。

 モノマネなど、まさに「潜在的な認識の表面化」だ。この人はこういう特徴があるな、というぼんやりとした潜在的認識が、モノマネによって眼前に表現されて表面化し、その「思い出し」の心地よさで面白いと感じる。ここに笑いのメカニズムがあるのではないか。
 人間は「思い出す」ということに快感を覚える生き物なのだろう。

 そうすると、「面白い人」の一種は、人々の中にある事柄についての潜在的認識を見つけ出し、それを表面化することの巧みな人、ということになろうか。

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