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AIを使った決算書のビジュアル化はまだ発展途上。でもやりがいあり。
四半期ごとに、投資先の企業から発表される決算資料を受け取るたびに思います。決算書をAIに渡してプロンプトを入力したら、Waterfall Chart、階段チャートを自動生成してくれたらなあと。今年の利益が前年の同じ時期からどう変化したのか、また、どのような要素がどの程度影響しているのかをグラフで直感的に理解したいのです。
決算書を添付しAIにプロンプトを入力し、うまくいくと以下のような階段チャートが生成されます。左→右へ、去年から今年にかけて、売上はプラス、コストはマイナス、費用もマイナスに営業利益に影響したことが見える化されています。言い換えると、売上の増加に対して、コストや費用の増加が低かったため、営業利益が増加したことが直感的に理解できます。
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しかし、一度うまくいったプロンプトを別の機会に入力しても、こちらの希望通りのチャートが生成されないことがよくあります。AIを使ってを生成しようとすると、「Chat GPTはまだこのようなチャートに対応していない」という返答が返ってくるのです。
うまくいかない場合、以下のような意味をなさない階段チャートが生成されます。
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それでも、粘り強くプロンプトを試行錯誤しています。時折、一つ目のような思い通りのチャートが生成されることもありますが、一度うまくいったプロンプトを異なる企業の決算書に対して使用しても、満足のいくチャートが生成されないことも多く、その結果にはまだ不安定さが残ります。このような状況を見ると、AIはチャート生成にはまだ完全ではないことが明らかです。
しかし、今後GPTが進化したら、以前ならば社員数人が数時間かけて決算書を精査して作成していたグラフが、数回のプロンプトのやりとりを経て数分で作成できるようになり、人間の働き方は劇的にかわるでしょう。
AIに関する最新の状況として、以下のYouTube番組における、AI専門家の茶園さんの解説が参考になります。
特に、決算書をAIに渡して分析してもらうプロセスや得られる結果が、自分が普段行っている分析とほぼ同じような方向性であることがわかりました。AIの予測モデルについてはまだ苦手な面があるようですが、この点に関しても自分の認識と同じです。
以前は、自分のAIの使い方が不十分なのではないかと考えていましたが、茶園さんの動画を見て、自分の試みがそんなに的外れではないとちょっと安心しました。それでも、AIの進化は非常に早いため、自分も常にプロンプトの工夫を続け、AIの進化に置いていかれないような努力が必要と感じています。
結論として、AIを効果的に活用するためには、さまざまなプロンプトをしぶとく何度も試して結果を追い求めるしかありません。自分にとってはそれが毎回数時間かかろうと、新たな発見があるからか楽しい過程です。例えば、会社の業務と異なり、プロンプトは効率的に結果を出そうとするよりも、むしろ遠回りでもステップバイステップの段階を踏んだ指示を書いた方が良いことが多いです。今までの仕事の経験や知識にとらわれず、必要に応じてアンラーンしながら今後も挑戦し続けたいと思います。
将来、茶園さんが述べているように、AIが人間に代わって仕事をする時代が来て、ベーシックインカムが導入されるかもしれません。しかし、ベーシックインカムがどの程度支給されるかは不明ですので、それが実現するまでの間に、われわれ人間は資産運用を通じて、配当や金利などの不労所得、すなわち独自のベーシックインカムも準備しておくと良いでしょう。
以上になります。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見、ご質問などございましたら、お気軽にコメント欄にお願いします。
参考までにチャート生成のための英文プロンプトと使用した英文決算書(アマゾン2024年Q1)を以下に添付します。
決算書
https://s2.q4cdn.com/299287126/files/doc_financials/2024/q1/AMZN-Q1-2024-Earnings-Release.pdf
AIへのプロンプト
Based on the attached, please run the current operating profit variance analysis against previous year by taking following step by step approach.
1. Variance amount in USD mil and % change.
2. Please see the following two factors for the the Operating ProfitChange
i.) Sales change
ii.) Cost change (Cost as Sales - Operating Profit)
3. Create a summary table covering
i.) Operating profit in the previous year
ii.) Sales change and % change
iii.) Cost change multiplied by -1 and % change
iv.) Operating profit this year.
4. Based on the summary table above, please create a waterfall chart showing what factors impacted on the profit change from previous year by following below instructions.
i.) Both profits are in blue. For sales and cost change, if the number is positive, it is in green. If the number is negative, the color is in red.
ii.) Please make sure that Each bar starts from the top of the previous bar, except for the final bar, which should start from zero and represent the total value.
iii.) The final "Operating Profit (Current Year)" bar should clearly reflect the cumulative total and should start from zero on the Y-axis.
iv.) Label each bar with its respective value, placing the text inside or adjacent to the bar.
v.)The chart title should be "Operating Profit Variance Analysis for [Company Name]".
免責事項:
当記事は特定の銘柄の投資を奨励するものではありません。また、内容の正確性を保証するものでもありません。投資はご自身の判断で自己責任でお願いします。
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