黒い蝶
羽を傷めた黒い蝶が
枝葉のあいだを
ゆらりゆらりと飛んでいく
とまどうように
さまようように
何を探しているのか
どこをめざしているのか
覚束ない様子で
ふわりと上へ
はらりと下へ
花びらが風に舞うように
夏の終わり
ひとりきり
日射しは明るく
みずからの影は濃く
ふらふらと
ゆらゆらと
陽炎のむこう
緑陰の奥深く
やがて
冥界へ
命を尽くして
限りなく優雅に
傷さえ美しく
ゆっくりとゆらめきながらはばたいてゆく
羽を傷めた黒い蝶が
枝葉のあいだを
ゆらりゆらりと飛んでいく
とまどうように
さまようように
何を探しているのか
どこをめざしているのか
覚束ない様子で
ふわりと上へ
はらりと下へ
花びらが風に舞うように
夏の終わり
ひとりきり
日射しは明るく
みずからの影は濃く
ふらふらと
ゆらゆらと
陽炎のむこう
緑陰の奥深く
やがて
冥界へ
命を尽くして
限りなく優雅に
傷さえ美しく
ゆっくりとゆらめきながらはばたいてゆく