オンラインコンテンツは、"育成マーケティング"に活用すべきだ!(と思う…)
さて今回は、コロナ禍で育成領域で最も導入され広がった、"オンラインコンテンツ"について自分なりの意見と考察をまとめました。様々なお声を聞き、僕が人事の皆さんの立場だったら、という観点で書いてみました。
もしよろしければお付き合いください。
始めに、定義。
ここで述べるオンラインコンテンツとは、”いつでも・どこでも・何度でも見られる研修動画"と定義します。具体的には、社内のe-ラーニングとか、SaaSのオンラインで受講できる研修コンテンツを指します。ZoomやTeams、Webex等で繋ぎながら研修を実施するスタイルは、ここでは含めていません。
オンラインコンテンツを受講したとしても、あまりできるようにはならない、という声。
コロナで対面型の研修ができなくなり、その代わりとしてオンラインコンテンツが様々な企業で導入され隆盛を極めました。この広がり方といったら、凄まじい勢いで、多くのサービスが世に出回りました。
一方、人事の皆さんから漏れ聞こえてくることは以下のような声。
・社員の受講率が非常に悪く、機能しているといは言えないんですよね。
・強制的に受講はさせているんですけど、動画だけで身についていないような気がしていて…。
Knowing-Doing Gapがありますから…。
こんなお話を聞くと、私は心の中でいつも思っていました。
フェファー/サットンのKnowing-Doing Gap(頭で理解していることと、実際の行動には大きな違いがある)です。残念ながら人間は、私も含めてそこまで賢くありません。動画を数十分見ただけで、できるようにはならないと思います。あと、裏側には親心があるとはいえ、それを強制的に社員に見せたとしても、身にはならない可能性が高いですね、心情的に。
なので、オンラインコンテンツに高い期待値をよせると、コンテンツメーカーさんも社員の皆さんにも、ちょっと重くしんどいような気がします。。。
だからと言ってオンラインコンテンツがダメ、ということでは決してない。
先日、Facebookである方からコメントを頂きました。当たり前のように思えて非常に鋭い御意見だったのはコチラ。
本当に、おっしゃる通りなんです。自身で吸収しようとしたときが最強なんですよね。
そういえば大昔、学生時代に少しだけ勉学にハマった時期がありました。読みたい本、論文、実験施設が身近にあり、自分の好きな時に好きなだけ勉強や調べものができた環境は、凄くありがたかったですし、非常に身についたように感じました。
そう、自ら学ぼうという意思のある方にとっては、最高&最強の環境なんですよね、オンラインコンテンツというのは。
業務上様々な課題にぶち当たったときや方向性が見えない時、または、これは面白いと感じ、寝食忘れて没頭するような時などにオンラインコンテンツがあると、機能的かつ効果的に作用すると思います。勿論そのコンテンツが問題解決に直接至るということは難しいかもしれません(研修でもそうです)。ただ、何かのヒントや気づきや思考の道具を与えられ、前に進む可能性はあります。この流れは、非常に良い経験学習ではありませんかね。
”ログ”をどのように活用するのか?
加えてオンラインコンテンツ最大の特徴は、ログが取れる、ということです。そのログをベースに、自発的に学ぼうとしている方のペルソナをイメージし、そこから本当の育成・成長ニーズを洞察。先回りして育成スキームに組み込んでいくこともできると思います。
逆の視点で見れば、社員になかなか利活用されていないオンラインコンテンツの中で稼働しているコンテンツは神コンテンツ♪
なぜこのコンテンツは見られているのか?
どの部分が最も再生回数が多いのか?
誰がいつ、見ているのか?
等、私だったら育成のマーケティングに使うと思います。今あるデータの中で洞察した仮説を設け、深めていく。
データ量は少ないかもしれません。ただ、いつまでたっても十分なデータなんて取れない現状を受け止めたうえで、どの様なコンテンツを用意すれば社員の皆さんの成長の手助けとなるのか?こんなことを考えると思います。
その仮説の中で、オンラインコンテンツの使用率●%という目標を掲げてPDCAを回していく。それが仕組化なんじゃないかなー、なんて妄想していました。
自発的には学びたい/学ばなければいけないと思ってもらうのが理想だけど。
1点。では、社員が自発的に学びたいと思ってもらうためにはどうすればよいか?ここは深いですねぇ…。様々な変数(例えば、一人一人の特徴・期待値/目標値・環境、等)が混在するため、かなり思考を通す必要があります。
そこが難しいところでもあり、面白いところでもありますが。
ただ一つ言えることは、社員に、はい、学ぶ環境はあるから後はやってね♪ では、折角のオンラインコンテンツがもったいないなぁ、なんて思ったりして眺めております。