M&Aで成功する5つの原則
以前のブログでも書きましたとおり、今まで複数のM&Aを行なってきました。そして、今後も積極的にM&Aはやっていきますし、今も10件ほどのM&A案件を同時に進めています。
まだまだ未熟ながらにもM&Aで難しいと感じているのは、買う買わないの判断でもなく、買う場合の値付けでもなく、契約締結後のPMI(統合プロセス)だと感じています。今までのM&Aは何とか失敗せずにやってきましたが、たまたま失敗しなかっただけで、成功の法則を持っている訳ではありません。
今日も売却希望のオーナーとTOP面談してきたんですが、何となくPMIの難しさを感じつつも、その正体がハッキリせず。オーナーの人柄はいい、決算書も悪くない、なのに何かが引っかかっている訳です。
あ、そうだ
ドラッカーが企業買収について触れていたのを思い出しました。
「事業上の意味のない企業買収は、マネーゲームとしてさえうまくいかない。事業上も金銭上も失敗に終わる。企業買収に成功するには5つの簡単な原則がある」(『マネジメント・フロンティア』)
まず前提としてドラッカーは、企業買収を金銭上の操作ではなく事業上の戦略に基づいてこそ成功する、としています。投機的な買収は上手くいかない、戦略に沿い、戦略として意味にある買収でないと上手くはいかないと言っています。
その前提をクリアしたうえで、普遍的な5つの原則があるとし、それをウォール・ストリート・ジャーナルに発表しています。
第1に、企業買収は、買収される側に大きく貢献できる場合にのみ成功する。問題は、買収される側が買収する側に何を貢献できるかではない。買収する側が貢献できるものは、経営能力、技術力、販売力など、さまざまである。
第2に、企業買収は、買収される側と共通の核がある場合にのみ成功する。共通の核となりうるものは、市場であり、技術である。あるいは、共通の文化である。
第3に、企業買収は、買収する側が買収される側の製品、市場、顧客に敬意を払っている場合にのみ成功する。やがて、事業上の意思決定が必要になる。そのとき、製品、市場、顧客への敬意がなければ、決定は間違ったものとなる。
第4に、企業買収は、買収される側に、1年以内にトップマネジメントを送り込める場合にのみ成功する。マネジメントを買えると思うことは間違いである。社長だった者が、事業部長になって満足し切れるわけがない。
第5に、企業買収は、最初の1年間に、買収される側の者と買収する側の者を、多数、境界を越えて昇進させる場合にのみ成功する。買収を、歓迎されるものに仕立て上げなければならない。
5つの原則を忘ないよう、いつもで読み返せるよう、自分のブログにコピペしておきます。そして、当面のネックは、第4の「1年以内にトップマネジメントを送り込む」点だなと。該当者がいない、、、。
社内での育成もしていきますが、もし美容系企業の経営をやってみたい、という人がいたら連絡ください。お待ちしています。