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赤磐のエデンの園とアダムの子

岡山市のお隣、赤磐市には英国庭園があります。熊山英国庭園。廃校になった小学校の跡地に誕生したものですが、この庭園はイギリスのウィリアム・ロビンソンの「野生の庭」思想に基づいて設計されています。ロビンソンは古き良きイングランドのあるがままの自然に庭園の理想を求めました。

ロビンソンに限りませんが、イギリスでは庭園制作の目的は旧約聖書創世記に登場する「エデンの園」を地上に再現することでした。このため、聖書の言葉に基づいて「見るに良き」花や「食べるに良き」果樹、及びハーブが植えられるのです。

近代以前にまで遡りますと庭園の源流は修道院にまで求められるでしょうし。

近くにはモダニズム詩人の永瀬清子の生家もあります。宮沢賢治の有名な「雨ニモマケズ」が死後発見された時、たまたまそこに居合わせた人として有名でしょうか?英国庭園がある元小学校の校歌を作詞した人です。彼女の詩に「グレンデルの母親は」がありますが、グレンデルとは古いイギリスの叙事詩「ベーオウルフ」に出てくる怪物。ベーオウルフは神話とキリスト教要素が混在した内容の作品でイギリスファンタジーの源流の一つとされています。グレンデルは創世記とも関係があって創世記4章に出てくるアダムの子カインの末裔という設定です。英国庭園の近くに英国の叙事詩にインスパイアされた詞を書いた詩人の家があることになります。永瀬清子の詩が英語圏でもよく読まれる理由の一つはこのあたりにあるのでしょうか?

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