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遠藤周作のルーツ 岡山
キリシタン迫害をテーマにした「沈黙」で有名な遠藤周作は阪神地区の印象が強いが家のルーツは岡山県にある。
母、遠藤郁は笠岡の医師、竹井家の娘として生まれ、学校は岡山市内にある操山高校を卒業している。東京芸術大学に学び、ヴァイオリンを習ったクリスチャンの安藤幸は作家幸田露伴の妹にあたる。この師は日本におけるヴァイオリニストの草分けのような存在。
結婚後、大陸から帰国した際、阪神に住む姉妹の家に身を寄せる。この家族がクリスチャンだったことがきっかけで洗礼を受ける。兵庫県宝塚にあるカトリック系の小林聖心女子学院で音楽教師として勤めるようになる。子どもだった遠藤周作自身も前後してカトリック夙川教会で洗礼を受けている。
遠藤周作も自身のルーツは気になったようだ。笠岡に
近い井原市を拠点とした先祖竹井一族を小説「叛乱」に登場させている。キリシタン大名黒田如水を兵庫の伊丹で監禁したことで知られる荒木村重に仕えた井原の竹井藤蔵が主人公。このキャラクター自体は架空の人物らしいが竹井一族は実在で今でも井原に残る小笹丸城跡が竹井一族の拠点。
それもあって井原のテーマパーク「中世夢が原」には遠藤周作揮毫の石碑がある。「血の故郷」と刻まれている。