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ノートルダムとゴジラと製鉄

私たちの教会のある地域の地名は伊福と言います。同地域にはカトリック系の学校ノートルダム清心女子大学があります。渡辺和子シスターが勤められた学校として知られています。

伊福という地名の由来が気になっていたのですが、どうも息を吹く、息吹から来ているらしく、谷川健一著「青銅の神の足跡」によると、これはたたら製鉄で鞴(ふいご)を吹く作業と関係あるらしい。伊福部と呼ばれる産鉄民が住む地ということのようです。ジブリアニメ「もののけ姫」とも関係があって、あれもたたら製鉄の話でした。一説ではモデルは岡山含む中国地方だとも。

どうも伊福部は現在の愛知県からなんらかの理由で中国地方に移ったようです。地域には尾張を思わせる尾針神社があるのも傍証になりましょうか。それで思いつくのが伊福部姓の方。ゴジラのテーマ音楽を作られた北海道生まれの作曲家、伊福部昭。この方のルーツも中国地方で岡山の隣、鳥取県だそうです。古代の産鉄民にまで遡るのでしょうか?

伊福部昭の父、伊福部利三は釧路で警察官として働きました。この地は働きやすい環境だったことでしょう。と言うのは釧路は鳥取から入植した移民の多く住む土地だからです。

この移民にクリスチャンが関わっています。足立長郷。西南戦争後、疲弊した鳥取の元藩士のために、津山で働いていた彼はキリスト教精神の結社、共斃社を結成。自由民権運動を展開します。このことを重く受け止めた山縣有朋と足立長郷の間で話し合いがなされ、鳥取から北海道への移民が募られるのです。

移った先が一つが釧路(もう一つは岩見沢)で事実、釧路には鳥取の名がつく地名が残っています。伊福部利三がこの中にいたわけではありませんが、移民の後を追うようにして釧路に赴任したとも言えます。同じ鳥取出身者が多くいることが動機になったかもしれません。

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