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【第2回】ただ話を聞いてくれるだけでも救われることがある。

お疲れさまです。SATOSHIです。

今回のテーマは『ただ話を聞いてくれるだけでも救われることがある。』です。

私は相談支援専門員という仕事をしており、福祉サービスの利用に伴う申請や、サービスの利用状況の確認に伴うモニタリングを行うことが基本的な業務です。それ以外の様々な困り事の相談というものも多くあり、その内容も様々です。どこまでが相談支援専門員の役割なのか線引きが曖昧なところがあったりするので、相談支援専門員によって対応する範囲が統一されていないという現実があります。ですので、相談支援専門員が変更になった場合に、「前の人はここまでしてくれたのに新しい人はしてくれない」とクレームに言われることが実際にあります。(この辺については別の記事にして書こうかなと思います。)

私が勤めている相談支援事業所は、福祉サービスの利用に伴う申請や、サービスの利用状況の確認に伴うモニタリングを行うことによって、1件につき定められている基本報酬を得ながら事業運営を行っています。それ以外の業務内容では基本報酬はありません。制度上決められた要件を満たした場合に得られる加算はありますが、普段の多忙さに加えて加算要件の細かさや作成する書類が増えるなどの背景から、加算を算定していない事業所は少なくないと聞いています。

ですが、報酬が発生しないからと言って全く相談対応を受け付けないということにはなりません。本人にとって有益な結果が得られるように、本人の生活全体の豊かさに繋がるように、必要な相談対応を行っていくことは大切ではないかと私は思っています。

ある相談ケースの話

以前、私が担当している児童さんの親御さんから、「毎日子どもが癇癪を起して大変な思いをしている。どうしたらいいのでしょうか。どう関わっていいのかわかりません。育てていく自信がありません。」という電話を受けたことがありました。

本人(この場合は児童さん)の有益な結果、生活の豊かさに繋げていくためには、親御さんの力なくして叶えられません。その為にまずできることは、親御さんの話を聞くこと(ガス抜き)だと考えました。翌日に親御さんとの面談時間を調整しましたが、面談の結果によっては関係機関を招集した会議を開催するということも視野に入れていました。

実際の面談では、親御さんの今抱えている苦しみや不安感などをたくさん話し、内容がまとまらないところも多くあったため、質問を交えながら紙面に書き出していって内容を整理していきました。困った出来事はたくさんあるのですが、その根っこにあるものは元々のある課題(特性や環境)に行きつくわけで、その根本にある課題については、今すぐ解決できるようなものではありませんでした。親御さんもそれはよくわかっており、だけど何ともならない感情が溜まりに溜まってしまい、耐えきれなくなってしまったと言っていました。

面談の最初のほうでは、涙を流しながらネガティブな出来事を話していた親御さんでしたが、面談の最後のほうでは、ポジティブなことや冗談を言って笑う姿がみられるようになり、上手くガス抜きが出来て感情をリセットすることができたように私は感じました。面談後の経過も確認していきましたが、気持ちに余裕を持って子どもと向き合うことができていると親御さんは言っていました。関係機関を招集した会議を開催する必要はないと判断し、それぞれの機関に個別で連絡をして情報共有だけ行いました。

まとめ

先ほどのケースは、今後また限界を感じて相談してくることがあるでしょうし、その繰り返しになるかもしれません。ですが、相談する相手がいる、話を聞いてくれる存在がいるだけでも、心が軽くなり救われるということはあるのだと思います。また、全ての相談事が解決を望んでいるわけではなく、ただ話を聞いてほしいだけ、自分の苦しみをわかってほしいだけの場合もあると思います。

この相談ケースの経験から、相談者の話に耳を傾けて、相談者の思いを理解することで、ネガティブな感情にリセットをかけることができ、また頑張れろうという活力を得ることができるということを学ぶことができました。


この記事を読んでくれた人に少しでも参考になる情報を届けることができたら嬉しいです。どうもありがとうございました。

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