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クラシック音楽 名盤探訪11

 マウリツィオ ポリーニ (ピアノ)
ショパン 4バラード  4スケルツォ

イタリアのミラノ出身のポリーニは2024年に82歳で惜しまれつつもこの世を去った。タバコを吸いすぎたのがもっと長生きできなかった原因らしい。それでも、82歳まで、数々の名盤を残して頂いたことに感謝したい。ポリーニが不世出のピアニストであるということは、このCDを聞いていただいたらよく分かることだと思う。完璧な技巧、華やかな金色のタッチ、そして情熱、音楽のセンス。どれをとっても素晴らしかった。史上最高のピアニストと評価する、批評家も多い。
 バラード1番は特に評価が高い。冒頭の不協和音は意見の分かれるところだが、物語性のある実に美しい曲である。ポリーニは超絶技巧も何のそのである。十字軍の悲劇を描いた曲ともいわれる。
 バラード2番は1番よりも悲劇性が強い。
 バラード3番も魅惑的な曲だ。途中右手が上昇していき、最後にまた降りてくるところがあるのだが、この世のものとは思えない絶美である。何度も聞けばいつか分かる日がやってきます。きっと。
 バラード4番はショパンの晩年の心境が伝わってくる名曲。ショパンは39歳で亡くなったが、この感性はやはり早熟の天才ならではだ。

 スケルツォについて
 スケルツォ1番は私はあんまり好きじゃなかったが、このポリーニの演奏で聞くと納得させられる。
 スケルツォ2番はよく聞かれる曲だ。
 スケルツォ3番は冒頭の音の降下が印象的。アルゲリッチの名盤もある。
 スケルツォ4番は晩年の作品。私はブーニンの演奏が好きだ。

私はとうとうポリーニを生で聞くことができなかった。サントリーホールしかほとんど来なかったので、わざわざ東京に行く機会がなかった。無理してでも行っておけばよかったと後悔している。アルゲリッチはまだまだ元気なので機会があったら行ってみたい。皆さんも聞くべきアーティストは今のうちに聞くといいですよ。


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