#59 バリアフリー情報の増やし方の提案がJ-STAGEに公開された話
社会人学生をしている中で、車いすユーザーの安心、安全、容易な移動につながるバリアフリー情報の増やし方について研究の結果がJ-STAGEに掲載されたので、良い節目なのでこれまでの取り組みや、日常の困りごとなどいろいろ残しておきます。
画像とタイトルは異なるのですが、具体の領域では異なりますが、抽象化レベルを上げて車いすやバリアフリーのレイヤーでは同じだと思っているので、推している本の写真にしました(具体と抽象の学びも活用w)
車いすの研究をするにあたって、車いすでもあきらめない世界をつくるというVISIONを掲げて活動されている織田さんの本はこちら
J-STAGEとは
・J-STAGEは、日本の学術ジャーナルを発信するオンラインプラットフォームです。リンクはこちら
J-STAGEの概要 (jst.go.jp)
・それ以外ではGoogleScholarという論文検索が先行研究を調べるのに大変有効だったので、普段使わない人も見てみると楽しいかも?
Google Scholar
バリアフリー情報の増やし方の研究について
・そもそも、なぜこの研究を仲間とした理由は、自分の生活のごくごく身近に車いすがあるから。そして、移動を考える際に健常者に対して必要となる情報量がやや特殊であり、結果として情報量が少なくなるという課題を感じていたため(他の論文などには、移動躊躇層という呼び方をしているものもあり)
・では、そんな課題感があるのだけど、情報量が増えない構造的な要因は何があるのかな?という問いを立てて、たくさんメンバーとPIVOTしながら研究を行ってきました。
・バリアフリー情報の増やし方の提案とすると、当たり前のように感じますが、まずは、バリアフリー情報を欲しがっている人がいるという事を健常者が認知をする事(アンケートなどを取ってもバリアフリー情報のニーズをまったく知らない人が大半)
・一方で、ニーズを知ったら提供するか?となるとそこまで単純な話ではない事も分かった。SNSへの投稿(InstagramやX、食べログやGoogleマップのレビューへの投稿をしたことがあるという人が少なく、日常的に投稿する人はマイノリティーという事が改めてわかりました。
・では、SNSへの投稿の経験があるような健常者がバリアフリー情報を提供する側になる(する事を妨げる心理的要因は何か?)には何が必要かをかあんが得ると、簡単に言うと、投稿までの手間が簡素な事、そして、どんなバリアフリー情報が具体的に必要かわかる事という事がわかった。
・今回のテーマはバリアフリー情報の増やし方の提案なのでこれらについて、撮影時のプライバシーを確保する仕組みなどを上げているが、具体的なソリューションは技術の発展により進化するので、今回は触れないでおきます。
・どんな研究をしたのか興味が少しでも湧いていただいた方はこちら
車椅子ユーザーの安心・安全・容易な移動につながる,バリアフリー情報の増やし方の提案 (jst.go.jp)
Wheelog!アプリとは
私が研究していた時には、日本でもっとも登録者数が多いアプリがこちら。
特に、車いすユーザーが通った道を地図上に残すという機能が実装されており、他の車いすユーザーに対して、そこに行けるかも?という後押しになる機能が素敵だなと個人的には思っております!代表の織田さんも素敵ですw
社会人になり研究をしてみた感想
・会社では、有志活動として新規事業を検討したりしていたが、やっぱりまとまった時間の確保が難しいなと課題感を感じていた。一方、今回の研究は4人のチーム+伴走していただいた講師がいる体制で行って6か月という短い期間ではあるが集中してリサーチクエスチョン(明らかにしたい問い)に向き合う事が出来たことが満足。
・論文掲載という形にもすることができて自分たちの研究も巨人の肩の一部になれたかなと少し誇らしい気持ちになりました。
やっぱり難しい海外旅行を考える際のバリア情報取得
・そんな車いすがある生活が日常になっている時に最も困るのが、海外旅行計画です。日本国内であれば、Googleを使うのも日本語でOKだし、先ほどのWheelog!などのアプリ、YouTubeなど車いす旅行の情報がかなりたくさんあります(もちろん必要十分ではないですが、クリティカルなダメージを食らう事はほぼないレベルに揃います)
・今回は旅行として上海に行こうと計画しており、モー情報の少なさと古さがきつい。主な要因としてコロナ禍による旅行の急激な減少があるので仕方ない面もあるのですが、車いすを載せられるタクシーを簡単に捕まえられるのか?電車のバリアフリー情報、トイレの情報、ホテルのバリアフリー情報など時間を掛けても手に入れられないものもあり本当に一苦労。
これからどうするのか
・バリアフリー情報を提供する事をビジネスとしようとすると、どうしても市場が小さくなるので、投資回収の壁をどう乗り越えるのかが頭の使いどころ。これからも考えていろいろ思考錯誤していきます!!
・日々の活動の中で慣れてしまってはいるものの、苦労するポイントは数知れずなので、少しづつ発信してきたいと思います。
ではでは