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#267 【スローフード宣言】を読んで、自分の食事から世界とのつながりを考えた話

こんにちは!けーたです。

今回はアリス・ウォータース著作の「スローフード宣言 WE ARE WHAT WE EAT A Slow Food Manifest」を読んだので気づきと学びを共有いたします。


○この本との出会い

仕事の関係で、「風と土と」が提供する教育プログラム「SHIMANAGASHI」を受講したい!と話をしていた中で同社のサイト内で目にしたのが「スローフード宣言」でした。そしてこれが全ての始まりです。

離島から生まれた出版社「海士の風」により自分が大好きな本の一つである「進化思考」が生み出され、「SHIMANAGASHI」という教育プログラムもこの地に生み落とされている。

本の中身に触れる前から気になる情報が大量に押し寄せており渋滞しております。ぜひチェックしてみてください!

○どんな人におすすめ?

この本の中心的な論点である「食べることが人の暮らしにどのような影響をもたらしてきたか」「その道筋を変えるために私たちができることは何か」この言葉に興味を持たれた方にはぜひオススメしたいです!!

きっと今が、この本を手に取るタイミングです!!

○学びの共有

・「あるのがあたりまえ」が目の前にあるものへの感性を奪う

この言葉を通して、日常の「あたりまえ」を俯瞰し、新たな気づきを得ることができました。

恥ずかしながら、毎日サラダが食卓に並ぶこと(感謝!)は当たり前となっており、その野菜たちのを全く理解できていない自分に気付けました。

さらに、その野菜がどこで、どのような人たちによって育てられ、どのように私たちのもとへ届いたのか——こうしたことに思いを巡らせることも、感謝することもすっかり忘れていたことに気づかされました。

シームレスな日常は便利である反面、感覚を鈍らせる恐ろしさをはらんでいるのです。

もちろん、私たちはこの便利さから大きな恩恵を受けていますが、その「あたりまえ」はいつしか世界の生態系にも影響を及ぼす存在となっています。

具体的な例として本書ではトルティーヤの話が紹介されていました。世界中でニーズが高まるにつれ、生産性の高いとうもろこしの品種だけが選ばれ、育てにくい伝統的な品種は次第に淘汰されてしまうのです。

この現象は米や小麦など、他の作物にも広がり、多様性の喪失という大きな問題を引き起こしています。

目の前にある一皿の食事が、地球規模でどのような影響をもたらしているのか。この本は、その問いかけを私に届け、新しい視野・視座・視点を与えてくれました。

まずは知ること——それが第一歩です。

・「安さが一番」適正価格と安さの混同

この「安さが一番」という価値観については最近自分の課題感と深く結びついています。

消費者がの安さを最優先することで、どうしてもそのしわ寄せは生産者側のプロセスに押し付けられる構造になります。

生産性の高いプロセスを追求するあまり、農薬の過剰な使用やそれによる環境負荷の増加、人件費の安い国々における過酷な労働環境など様々な問題が見えにくくなります。

この点においても上述した、野菜や食べ物の旬を知り、その背後にあるプロセスや関わる人に思いを馳せることが大切だと感じました。そうすることにより、「適正価格」というものが見えてくるのです

少なくとも、そんな値段でどうしてできるの?と疑問が湧いてくる。

もちろん、家計を考えたときに食費が上がることは簡単に受け入れられないかもしれません。それでも、この本は新しい視点を投げかけてくれます。それは、目先の価格だけでなく、人生全体の支出やQOL(生活の質)を見つめ直すことです。

たとえば、ファーストフードばかりを摂り続けた結果、肥満や疾患を引き起こし、医療費が増加するリスクがあります。このように、長期的に見れば安さが必ずしも得策ではないのです。

「スローフード」とは、単に食事の話にとどまらず、人生の哲学であり、生き方そのものだと、この本を通じて深く理解することができました。

・シンプルであることは、簡単さとイコールではない

この「シンプルさは簡単さとイコールではない」という考え方は、自分が特に気をつけなければならないと感じました。

シンプルに生活しようとすると、これまで誰かに頼っていたファーストフードや便利なプロセスを、自分自身が時間をかけて行う必要があります。シンプルな生活とは、単に何かを削減するだけではなく、丁寧さや手間が伴うのです。

この本を読んだからといって、すぐに今ある自分の生活を全て切り替えることは難しいかもしれません。

しかし、「足るを知る」という考え方を軸に、自分たちの食生活をシンプルにすることを心がけることは可能です。

たとえば、目の前の食べ物にこれまで以上に注意と敬意を払い、「取りすぎ」「食べ過ぎ」「簡単に残す」といった行動を見直すことで、地球に対する環境負荷を少しずつ減らすことができます。これは小さな一歩かもしれませんが、確実に大きな変化につながる一歩です。

繰り返しになりますが、この本が教えてくれるのは、知ることが第一歩であるということ。そこから自分の行動を見つめ直し、少しでも何かしらの行動を始めてみることこそが、変化への出発点だと感じました。

○まとめ

終章には「昔は良かったというつもりはない」とあり、産業革命前にもユートピアはなかったと書かれています。この言葉には、過去をただ美化するのではなく、未来に向けてどう行動すべきかを問いかける意図が込められていると感じました。

その上で、「スローフード的価値観」は、自然が私たちにもたらした共有財産であり、私たち一人ひとりの中にすでに存在しているものだと示されています。それは目覚める時を待っているだけで、何か特別なものではないのです。

そして、その価値観に目覚めるための第一歩は、目の前の食事を味わうことから始まると、本書は締めくくっています。

このシンプルながらも深いメッセージが、私にとって大きな気づきとなりました。

この本を読んでいる間から、すでに日常の見え方が少しずつ変わっていくのを感じました。もし少しでも興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。きっと新たな視点が得られるはずです。

ではでは。





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慧大  /  けーた
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