恋愛における感情爆発問題:トラウマ症状として眺めてみると
さと・カウンセラーです.
読書記録です.過去の恋愛における感情爆発問題を別視点から眺めることを,この本が教えてくれました.カウンセラーとしての大切な視点もたくさん盛り込まれておりました.
現在の対人関係機能の中で,自己・他者,世界への信頼を取り戻す回復へのアプローチについて述べられています.
回復のプロセスは生涯にわたるプロセスでもあり成長とも捉えられるかと思います.自分が自分の人生の主人公であり,選択権を持っているというコントロール感を取り戻すプロセス.
感情爆発が病気の症状であって,その症状が出ていたのは当然のことであったという解釈.「対人トラウマによる感情コントロールの障害」という症状であったという解釈が述べられています.ようやくこの解釈を受け入れることが出来つつあります.
感情爆発期真っ只中だった頃のわたしは,「決めつけ」や「押しつけ」に対して過度に敏感に反応していました.決めつけに過度に反応し,言葉でうまく気持ちが言い出せず,ただただ押し黙るしかなく.自分が押し潰されていく感覚に圧倒されて「怒り」を爆発させていました.そして,感情爆発させる自分を責めるという悪循環に陥っていました.
凄く腑に落ちました.
そういう状況の時に,「お前が悪いからだ!お前が病気だからだ!」「俺が,お前の親を謝罪させてやる!」「親を許せ!」と追い討ちを掛けてくる相手の時は,更にパニック陥っていました.フラッシュバックだとカウンセラーに指摘されたこともあります.
一方で,否定もせず「安心」させるような働きかけで対処してくれた相手の時は,安堵感を感じて感情爆発がスーっと引いておりました.
「恐怖心」から「怒り」の感情爆発させるのは,わたしが悪いからではなく,「対人トラウマによるもの」であり「そうなって然るべき状態」であったということ.
本書では,例えば次のようなジャッジメントを手放す重要性についても,何度も触れられています.
「かわいそうな人」
「親の影響を受けた傷ついた人」
「過酷な環境を生き抜いてきた凄い人」
その状況も,その時点での私にとっては大切に思っていることであり,何かしらの理由があってのこと.必要だから起きているということ.
「否認」「絶望」「脱愛着」のプロセスを経ていくなかで,「ゆるし」について触れるのは「脱愛着」の時期にきてこそ成り立つと述べられています.ゆるす,ゆるさないも自分自身で選択できるもの.
わたし自身がその境地に至るには,もう少し時間が必要です.また同じような関係性と役割に陥って感情爆発させてしまうのではという怖さ.その怖さを乗り越えて新しいパートナーシップを手に入れた時に,その境地を体感できるのではと思っています.
大好きだった方のご家族の姿を垣間見て.わたしの中で何かが変化しつつあります.家族というものへの憧れのようなものが芽生えているのかもしれません.