Satoru Osawa

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マガジン

  • Mark@ Design Engineering

    • 20本

    Takramではさまざまな専門領域のエッジを探究する独自のリサーチプロジェクト「Mark@」を行っています。このマガジンでは、Mark@Design Engineeringに参加しているTakramメンバーが、それぞれのnoteアカウントでデザインエンジニアリング領域に関連する記事を発信していく予定です。

最近の記事

4次元空間を身体化してみたい

中国のSF小説『三体』では、4次元空間における身体感覚が鮮やかに描かれています。この描写に魅了され、「自分もこんな体験をしてみたい」という思いが募り、実際にその感覚を再現するプロトタイプを制作することにしました。 でも、4次元空間を扱えるようなフレームワークやツールはほとんど存在しません。そのため、自力で4次元空間の理解を深め、試行錯誤を繰り返しながらの制作となりました。この記事では、その取り組みを記録し、当時の私の考えや発見を振り返っていきます。 目指す体験4次元空間を

    • UserとAIのためのInterface

      文章生成AIが世の中に普及始めてからすでに半年以上が経過した。最近ではブラウザクロールのプラグインを追加することで、最新情報に基づいた回答を返すことができるようになってきている。これにより、一部では"検索の終焉"とさえ囁かれるようになってきている。 それでも、現時点ではAIがクロールできる範囲はまだ限られている。例えばChatGPTの場合、Google Mapのルート検索のような動的なコンテンツには対応しておらず、全ての情報に自由にアクセスできるわけではない。 これまでの

      • ChatGPTに迷路をやらせてみる

        GPT4と物理空間をつなぐ試みとして、簡単な知覚を与えて迷路にチャレンジしてもらいました。 1人称視点で迷路をやってもらうために、迷路の全体像は伝えず、自分がいるマスの上下左右の壁の有無のみを伝えます。次のように対話を開始しました。 最初の一本道は即答していましたが、分岐の際にレスポンスが少し遅くなりました。一応迷ってるみたいですね。 ただ、途中で同じ場所を何度も行ったり来たりすることがあり、迷子になってしまいました。結局、最後は壁がある方向へ進む指示が出てしまい、失敗

        • 息子のおもちゃづくり 2

          息子のおもちゃづくり第2弾として、ビジーボードを作ることにしました。ビジーボードとは、赤ちゃんが興味を持ちそうなアイテムをたくさん貼り付けたボードのおもちゃです。ドアノブや機械のスイッチなど、保護者の立場からするとあんまり触ってほしくないものを、安全に思う存分触って遊べる知育玩具なのです。 うちの息子はというと、最近部屋の照明スイッチに興味を持つようになったのですが、毎日のように抱っこをせがんで延々と部屋のスイッチを付けたり消したりしています。そんなに好きなのであればと、ビ

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        • Mark@ Design Engineering
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        記事

          息子のおもちゃづくり 1

          私の学生時代の研究テーマは「動き」のインタラクションについてでした。身の回りの色々なものにアクチュエーターを組み込んで動かしたときの、人と物との関係を観察するものでした。その研究の初期段階で、下の動画のようなプロトタイプをいくつも制作していました。 これらのプロトタイプはユーザーリサーチを兼ねて展示する機会が何度かありましたが、特に子どもたちには人気で、毎回(壊れるまで)よく遊んでもらいました。子どもたちが夢中になって遊ぶ姿を見て、将来自分の子どもにも遊んでもらおうと密かに

          息子のおもちゃづくり 1