見出し画像

かき氷のあたたかさを思い出して

10年以上前の夏、山形県へ花火を見に行った時のこと。
夜まで時間があったので、レンタルサイクルを借りて近くの温泉街に向かった。近くといっても片道1時間弱のまあまあな道のりで、真夏の直射日光を避けるものもなく、汗だくで温泉にたどり着いた。

旅のメイン
山あいにある温泉を目指す
街の中心にたたずむ正面湯

気象庁の記録によると34℃あったようだ。

昔のことなので、どの温泉に寄ったのか記憶は無い。
だけど、温泉の後にかき氷をいただいたことをよく覚えている。

実は、温泉には荷物を置く場所が無く、
正確にはあったのかもしれないが見つけられず、
近所の人に相談したときに家で預かっていただけることになった。

さっとお風呂を済ませたあと、そのお宅に行くと、
かき氷食べる?と聞かれ、ご厚意に甘えた。

忘れられないかき氷

真夏の暑さと温泉でほてった身体を、
身体の内側から冷ましてくれる、
なんてあたたかいかき氷だったことか。

私はこのかき氷の味を一生忘れない。

と、当時の日記に記していたのに、味は忘れてしまった。
けれど、してもらったことは忘れていない。
あの日見た花火よりも思い出になっている。

ちょうどその日の夜に、甲子園で山形代表が勝ったことを知り、とても嬉しかったのを覚えている。
かき氷をいただいた、あのお家でもNHKの実況中継が流れていた。

帰り道、暑さはやわらぐ様子を見せなかったが、自転車で浴びる風がとても心地よかった。

---

花火大会よりも記憶にあることがあと2つあって、
あの日、普通列車が止まった駅で、開いた扉の向こうに見えた田園風景。
あの日、立ち寄った食堂のおばちゃんと厨房。

詳しくは言わないが、今その鉄道は休止中だし、
食堂は閉業している。

また見たいと思った景色がいつまでもあるとは限らない。
寂しいけどこの機会に知れて良かったと思う。

---

今回、スマホの通知欄に出てきたnoteおすすめの記事を読んでいた時に、その方の他の記事に12年前に訪れた温泉街の写真があり、いろいろな思い出がよみがえりました。
フォトエッセイをやってみたいな、とも思いました。
勝手ながら、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集