僕の活動のルーツーなぜ、小さな声に耳を傾けるのか。
ぼくは中学1年生のとき、水鳥の調査をはじめました。毎週日曜日の朝8時半、友人たちと自転車で、余呉湖という湖を一周して、水鳥を数えていきます。
今日はどんな鳥に出会えるだろう、どんな景色が見られるだろう、と、毎回、ワクワクしていきました。特にうれしかったのは、オシドリという、色鮮やかな鳥に出会えたときです。滅多に姿は見られず、しかも警戒心が強いためか、見通しの悪い杉木立のある場所からしか観られません。ところがある日、その場所に着くと杉木立がばっさりと斬られていました。望遠鏡を覗いても、オシドリは見つかりません。その日からもう、会えなくなりました。とても悲しかったです。会えないことに加えて、オシドリと僕らが、まるで存在しないかのように無視をされたことが。
それ以来、僕は、生き物たちの声なき声、子どもたちの小さな声にも耳を傾けられる社会を、願うようになりました。
高校生のときに、パソコン通信を始め、野鳥や環境に関する電子掲示板に参加しました。ここでは大人の人も、高校生の僕を対等に扱ってくださり、希望を感じました。また、大学の環境サークル活動で出会った、全国の先輩や、環境NGOの方々も、一人ひとりの意思や意見を尊重してくださいました。そのネットワークで、地球温暖化問題に関するキャンペーンも実施できました。年齢や性別を越えて、対等な関係性で物事を実現することができることを実感し、それ以来、環境活動や市民活動に携わってきました。
鳥たちは、群れを成しつつ、自由に生きています。人もまた、協力しあいながら、自由に生きていくことができる、と思います。
そのためにも、声なき声、小さな声に耳を傾けること、そして、自分の気づきを伝えることを、これからも大切にしていこうと思います。
今日から2日、コミュニティ・オーガナイジングに関するオンラインワークショップに参加しています。
今日のワークでやったStory of Selfー自分の価値観の源泉となった自分の体験を物語ることーが、自分のことをひとに伝えるためにも、自分の価値観の源泉を振り返るためにも、とても有意義だと感じたので、ここに記しました。
僕の関心や取り組みは、環境分野だけでなく、ジェンダー、教育、平和などに広がっていますが、その原点に立ち返れば、その根っこは同じところにあると、あらためて自分でも理解ができました。
以上、お読みいただき、ありがとうございました。