膝のトラブルについて
【アスリートのための身体の仕組み講座】
第8回は
【膝のトラブルについて】
整理していきます。
膝の違和感、痛みは、年齢関係なく多くの選手が悩んでいたりしますね。
『シンプルに膝のこのへんが痛い』
『違和感がある』
『抜ける感じがする』
『しっかり曲げれない』
『階段などあがる(おりる)時に嫌な感じがする』
などなど、違和感や痛みのパターンは色々です。
ジュニアアスリートだと俗にいう【成長痛】だったり・・
女子アスリートだと、月経周期(生理)により靭帯損傷のリスクがあがったり・・
特にコンタクトプレーのある競技だと膝に痛みを抱えながらプレーをしている選手は多いです。
全て、『仕方ないよねー』という事はなく、予防や負荷の調整をすることで多くのトラブルを回避できると思います。
当然、可能な限りのことをしても、ハプニング的な怪我だったりはありますが、本来は防ぐことができたもの、あきらめる必要のないものまで【仕方ない】と流さないようにしなければいけませんね。
違和感や痛みの原因
違和感、痛みがあるという事は、絶対にその原因がどこかにあります。(膝に限らずですが)
原因は人によって様々ですが、ざっくり整理すると
①膝の捻じれやズレ
②股関節の問題
③足部の問題
④重心の位置や使い方の問題
このあたりが原因となります。
それぞれ確認してみましょう。
膝の捻じれやズレ
これはシンプルに膝に問題がありますね。
膝関節は、凸凹のあるレールみたいな構造になっています。
(↑レール構造はわかりにくいけど、膝はこんな感じ)
膝関節の動きは“曲げる”“伸ばす”ですよね。
細かいことを言えば、捻じれる遊びがあったり、しっかり伸ばした時にわざと捻じれる仕組みがあったりしますが・・。
それが、捻じれやズレによって違和感や痛みを引き起こします。
『膝がゆるゆる~』
『関節の動きが悪い』
『水がたまる』
こういった症状はモロに【膝の捻じれ、ズレ】が関係しています。
・スネの骨が太ももの骨に対して、外に捻れている状態
→膝がゆるゆる(不安定)
・その逆の捻じれの場合は、膝がしまる感じで関節の動きがわるくなる
・捻じれやズレで骨や組織がこすれる感じになる
→こすれると痛いので、液体をためてこすれないようにする
(水がたまる)
・スネの骨が太ももの骨に対して、外側に移動(ズレ)している
・変な受け方をする、正しい動きが出ない
→靭帯や半月板などの怪我に繋がる
なんて感じです。
『膝が内側に入る(ニーイン)のは良くない』
といわれるのも、“膝がゆるゆる~”の安定性の低い状態になってしまうからですね。
単に膝の位置を外にもっていくのは逆に宜しくないので、修正をする場合は、きちんとした知識のある方にみてもらってくださいね。
勿論、僕に相談していただいても大丈夫です。
股関節の問題
『股関節かたいんですー』
『つまる感じがする』
『音がなったり、違和感、軽い痛みがある』
などなど、“股関節がしっくりきていない”という選手はけっこう多いですね。
股関節は、曲げたり伸ばしたり、開いたり閉じたり、ねじったりですね。
重要ポイントとなるのは
・可動性
・柔軟性
・安定性
・分離性
といったところでしょうか。
こうした機能的な部分が低下すると
・違和感や痛みを引き起こす
・怪我の原因となる
・パフォーマンスの低下
など、よろしくない事を多く引き起こしてしまいます。
これは特定の競技ではなく、全ての競技において言えることです。
で、うまく機能していない分の“ストレス”、“しわ寄せ”が膝に襲い掛かります。
足部の問題
足部も、とっても重要ですね。
地に足つけて行う競技も、水泳など地に足つかない競技でも重要です。
ちっちゃい骨がたくさんありますね。
その数、片足で“28個”。
両足だと56個もの骨が集結して成り立っています。
体全体の骨の数は206個なので、かなりの密集ポイントですね。
関節もたくさんありますし、皆さんご存じの“アーチ”。
土踏まずのイメージが強いですが、3つのアーチがあります。
足部の役割は
・衝撃を吸収する
・力を地面に伝える
・姿勢を安定させる
・色々な部位との運動連鎖
など。
日常生活や、スポーツ動作でかかる大きな衝撃をうけているので、とっても重要ですね。
しかし!
足部は意外と崩れやすいんです。
骨の位置、アーチの崩れ、ズレ。
指の機能低下・・。
足首がかたくなるのはもちろん。
姿勢も悪くなり、怪我のリスクも高くなる。
当然、パフォーマンスもいまいち・・。
という事です。
また、うまく乗れないという事で、その“ストレス”、“しわ寄せ”が膝に襲い掛かります。
重心の位置や使い方の問題
重心の位置、体の使い方によっても膝のトラブルに繋がる事があります。
例えば、腰を落として踏ん張る時。
膝のクッションで受けてしまうと、太ももの前がすっごく疲れますよね。
本来は股関節のクッションをメインに、お尻や太ももの裏の筋肉たちで受けたいのに、太ももの前で受けてしまう。
これだと、膝に必要以上に負荷がかかってしまい、痛みを引き起こす原因となってしまいます。
オスグッドなども、実はこうした事が大きな原因という子もかなりいます。
簡単に
『成長するから仕方ない』
『休めばいい』
という判断をするのは嫌ですね。
様々な姿勢、動作で
・重心の位置
・使い方
は重要となります。
まとめ
膝の捻じれ、ズレが起こる原因は
・股関節周辺の問題
・足首の問題
このあたりにあることがほとんどです。
また、そういった組織的な問題に加えて“重心の位置”や“使い方”ですね。
膝が痛いから膝にアプローチ!
だけでは、うまく解決できないって事ですね。
このあたりは、痛みが出ていない場合でも、怪我を引き起こす原因となりますし、パフォーマンス低下の原因ともなるので、きちんとチェックしておきたいところです。
【正しいポジションで、正しく動かすことが重要】
です。
自分ではよくわからないかと思いますので、気になる方は相談した方が良いかなと思います。
怪我予防という意味だけではなく、パフォーマンスを向上させるためにも重要となりますよ。
信頼できる方が近くにいる場合はその方へ。
そういった人がいない方はお気軽にご相談ください。
【身体の仕組み講座】
過去の記事はコチラ↓