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瞬発力を獲得する股関節ジャンプ

スポーツ選手にとって、身体を整える、機能させる、強化することは当然である。
そして、その身体をコントロールすること、競技に必要な動作、技術、戦術など上乗せしていき、様々な状況、環境に適応させ、最高のパフォーマンスを発揮できるようトレーニングをしていく。

様々な動きが求められるスポーツ動作において
【股関節】【お尻】は特に重要となる。

様々な動きが求められるという事は
それらを獲得するため、様々なトレーニングが必要
ということ。(もちろん股関節やお尻以外も)

たまに
『どんなトレーニングしたらいいですか?』
と聞いてくる人がいる。

残念だが
『このトレーニングをすればOK!』
というものは無い。

これは、股関節やお尻以外でも同じ。

今やるべきこと、ベストなアプローチは人によって変わる。
同じ人でも、タイミングや状態、状況によって変わる。

『何をしたらいいのか?』
そう聞きたい気持ちは当然わかる。

だが、それだけ聞かれても
『知らねーよ』
となってしまう。

自身の成長のために何が必要なのか、何をすべきなのか本気で考えている人は、専門家にちゃんと相談した方がいい。

大切なことなので繰り返す。

【これをやっとけばOKという、都合のいいトレーニングなんて存在しない。そんな甘い世界ではない。】


今回は、【股関節とお尻を使うジャンプ系トレーニング】を紹介する。
これも、色々あるトレーニングの一部。

紹介するトレーニングでは
・股関節とお尻の瞬発力、爆発力
・上半身との連動性
・重心移動

といった部分がポイントとなる。

【瞬発力を向上させたい】
【スムーズな重心移動ができるようにしたい】
【もっと連動した動きにしたい】

という方は是非トライしてほしい。

【トレーニング①】
股関節(お尻)ジャンプ Level1

①膝立ち(足幅は拳一つ分くらい)
②股関節とお尻をうまく使ってジャンプ
③前方に着地

シンプルな動作で、意外と簡単に出来ると思う。

ただ、どのトレーニングもそうだが、
【何を目的(何のため)にやるのか】
【ポイントをおさえて出来ているか】

が重要となる。

繰り返しになるが、今回のトレーニングは
・股関節のクッション(バネ)
・上半身との連動性
・お尻の爆発力
・重心移動
ここをポイントとする。

それを踏まえての前方に着地。
“真上にジャンプしてその場に着地”はよくあるが、爆発力と重心移動、連動性などが噛み合うと、スムーズに前方に飛ぶことができる。
着地も、股関節のクッションを使い、ピタッと止まれるように注意。
※前に突っ込んだり、手足でバランスをとるのはNG


【トレーニング②】
股関節(お尻)ジャンプ Level2

トレーニング①の進化版。
①膝立ちで片足を浮かせる
②股関節とお尻をうまく使ってジャンプ
③前方に着地
※踏切る足と着地の足は同じ

片足になるだけだが、レベルは一気にあがる。
ムリヤリではなく、スムーズに行うためには
【片足に安定して乗れる】
という事がとても重要となる。

【股関節にうまく乗る】

うまく出来ない方は股関節に乗る練習からやると良い。

《やり方》
①両膝立ち
②片足を浮かせる(手は胸に)
※手でバランスを取らない
③良い姿勢をキープしたまま股関節を曲げ“お辞儀”のように身体を倒していく(浮かしている足は後ろに伸ばしていく)
※うまく出来ると胴体を床と並行まで倒せる
④戻る
※腰をそったり、頭から起こすのではなく、お尻を使って股関節を伸ばして身体を起こしていく

注意:身体をしっかり倒すのはレベルが高いので、最初は45度くらいまで倒して戻すだけでOK、しっかり倒していく時はお手付きしながらでOK


【トレーニング③】
股関節(お尻)ジャンプ Level③

これは股関節の可動性、柔軟性がないとやりにくい。
逆に言えば
股関節の可動性・柔軟性を確認できるトレーニング

①お姉さん座り?両膝を同じ方向に倒す
※身体は正面、骨盤もできるだけフラット
②股関節とお尻をうまく使ってジャンプ
③前方に着地

股関節がねじれた状態で行うので、パワープレーでは無理。
やってみるとわかるが、露骨に左右差も感じれるはず。

ムリヤリやるのではなく、
股関節、お尻、上半身との連動、重心移動・・。
様々な要素をうまく使って行う。

『あっ、これ出来るイメージない』
『ちょっとコワいかも』
という時には無理にトライせず、もう少しシンプルなトレーニングからやっていくといい。

スタートポジションがうまくとれない人は
股関節の可動性・柔軟性
ここを見直す必要がある。

可動性・柔軟性はあるが、
『こうした“動き”のあるトレーニングが苦手』という人は
安定性不足・強さ不足
という事も考えられる。

股関節は
タイプA
⇒強さはあるが、可動性・柔軟性に問題あり

タイプB
⇒可動性・柔軟性はあるが安定性と強さに問題あり

タイプC
⇒柔軟性があり、問題なさそうだが、実は可動性に問題あり

タイプD
⇒分離性に問題あり

など、様々なパターンがある。

今、自分自身の身体はどんな状態で、どんなアプローチが必要なのか。
ここを知っておく事は、効率よく進めていくためにとても大切。

“問題あり”の部分を改善せず進めていくと、必ずどこかにしわ寄せがいく。

今、新型コロナの影響で試合や練習が無い状況。
こういった細かい部分に目を向ける良い機会だと思う。

いつ再開するかわからない状況で
『コンディション維持』
とか無理でしょう。

逆にシーズン中になかなか取り組む事のできない部分。
・細かい部分からの修正、改善
・フィジカルベース向上
・学ぶ、考える
・技術面の見直し
など、そういった部分に力を入れていくと良いかと思う。

今回は股関節とお尻を使ったジャンプ系トレーニングを紹介したが、身体の状態など確認しながら色々なトレーニングにトライしていこう。

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枡川 哲 Satoru Masukawa
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