固定と安定の違い
【アスリートのための身体の仕組み講座】
第7回は
【固定と安定の違い】
について整理していきます。
『良い選手の条件って何?』
あなたは何を思い浮かべますか?
シーズン通して体調を崩すことがない。
精神的に安定している。
向上心がある。
技術的に優れている。
フィジカルが強い。
自分で考えて動くことができる。
などなど・・。
正解は一つではないですし、色々あると思います。
今回は、その中でも
【ほど良い脱力感・抜け感】
に注目してみたいと思います。
良い選手に共通していること
まず、トップアスリートの動き、プレーを思い浮かべてみてください。
どの競技の選手でも『ほど良い脱力感・抜け感』ってありますよね。
【めちゃめちゃ力んで、ガチガチ!】
そんな感じの選手っていなくないですか?
うまいこと抜けていないと、スムーズな動き、良い感じの安定感って発揮されにくいんです。
柔軟性とは違う意味で【かたい選手】は違和感や怪我といったトラブルが多くなります。
硬い選手は“ゴリゴリに固定している!”というイメージですかね。
ほど良い脱力感・抜け感は
『完全脱力~、だらだら~』
という事ではなく、必要な安定性、安定感は維持して、無駄な緊張がないということです。
固定と安定の違い
この【固定】とか【安定】って似ているようで全然違うんです。
(他にも色々な言い方、分け方とかありますが、混乱するので固定と安定で)
そう言われても、よくわからないと思いますので、実際にチェックしてみましょう。
色んな動き、トレーニングでチェックできるのですが、わかりやすい「プランク」でやってみましょう。
動画では伝わりにくいのは重々承知ですが・・
この動画をチェックしてみて下さい。
【プランクで片手をあげる】
①良い姿勢でプランク
②胴体が逃げないように片手をあげる
③反対もやってみる
めちゃめちゃシンプルですね。
シンプルだからこそわかりやすい。
プランクで胴体が逃げないように片手をあげるって、何気に負荷が高いですよね。
この時
1⃣からだ全体にグッと力が入って『んー!』みたいな感じであげる
2⃣割とリラックス(特に肩)したまま『スー』っとあげることができる
このどちらかになると思います。
あ、あとは『えっ、あがらん・・』ですね。笑
ざっくり
1⃣→固定
2⃣→安定
というイメージです。
胴体に『姿勢を保つぞー!』という負荷がかかっている状態で
1⃣全身の筋肉を固めて何とか姿勢を保持する
2⃣姿勢を保持するやつらが適切な出力で働いている
という事ですよね。
1⃣と2⃣のどちらがスムーズに、自由自在に動けそうですか?
2⃣の安定の方ですよね。
もちろん【固定力】もとっても大切、必要なものなんですが、『無駄に力んでゴリゴリな固定になっちゃう』というのは話が違います。
変な力みなく、プランクで片手をあげることが出来ますか?
意外とうまく出来なかったりしますよね。
安定して出来ない理由
安定してできるようにしたいのですが、力んじゃってる選手に
『力抜こう』
と言っても出来ない事がほとんどです。
なぜかと言うと、
安定させる部分の出力が足りなくて、全身を固めてファイトしている状態だから
です。
安定させる部分が足りない状態で、全身も脱力。
そんなの無理ですよね。
『うまく出来ない、良い感じの脱力が出来ない』
という選手は、ひたすら修業みたいにトレーニングを行うのではなく
【身体を安定させる部分】
ここをきちんと機能させること、必要な強さを身につけるトレーニングをやっていかないといけません。
この【身体を安定させる部分】をトレーニングするために、俗にいう“体幹トレーニング”をしているんですよね。
しかし、間違った体幹トレーニングをしてしまうと、逆に『固めてしまう癖』がついちゃうんです。
そんな感じになっている方が本当に多い。
わかっていない指導者も本当に多い。
トレーナーでもきちんと出来ていない事が本当に多い。
要注意です。
機能させなければいけないのは、特にインナーユニットですよね。
詳しくは↓
ここがきちんと機能しているから、姿勢、関節などが良い感じで保持できて、無駄に力まなくても良いんです。
もう一歩踏み込もう
『体幹が大切』
とはよく言いますが・・
選手、指導者の皆さんはざっくりで終わりではなく、もう一歩踏み込んだ部分まで知っている、アプローチできるようにしないといけませんね。
『体幹トレーニングじゃー』
と気合を入れてやるのは良いですが、きちんと出来ず
【逆に動きが悪くなる】
なんて事になったら最悪ですよね。
体幹トレーニングだけでなく、ウエイト、ムーブメント、アジリティなどありますが、全てにおいてそうです。
もっと言えば技術、戦術もそう。
多くの選手をみていますが、伸びる選手はしっかり考えています。
具体的にきっちりとお伝えしたいのですが、こういった部分は文字では伝えれませんし、動画でもきっちりお伝えするのは難しいんです。
まずは自分自身で一歩踏み込んで考えていってみましょう。
そのうえで、本気でステップアップしたい方はご相談ください!
次回は
【膝のトラブルについて】
整理していきます。
膝の痛み、違和感はなぜ起こるのか。
ニーインがいけないと言われるのはなぜなのか。
どうやって修正するのが正解なのか。
膝トラブルは本当に多いです。
整理していきましょう。
【身体の仕組み講座】
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