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トレーニングの組み方

【アスリートのための身体の仕組み講座】

第6回は
【トレーニングの組み方】
について整理していきます。

スポーツをしていると
・思うような動きが出来ない
・違和感や痛みがある
・骨盤、股関節の動きがイマイチ
・胸まわりの動きがイマイチ
・足首がかたい、違和感がある
・怪我が多い
・トレーニングがパフォーマンスに繋がらない
など、様々な問題がありますね。

そういったものに対して、その場しのぎのアプローチをしても、結局うまくいきません。

根本的な原因に対してアプローチし、パフォーマンス向上の為にトレーニングをしていく必要があります。

ですので
『根本的なところってどこ?』
『何をどうしていけばいいの?』
という部分を整理していきます。

そうすることで
効果的なプログラムの組み立て
が出来るようになります。

細かい部分は、人によって変わってきますので、ここでは大きな流れ、枠で考えていきます。

アップで取り入れるべきもの

まず、“効果的なプログラム”に入る前に、アップで取り入れるべきものについて確認しておきましょう。

アップって、
・身体があたたまればいい
・心拍数が上がればいい
というのがベースになっている方が多い気がします。

それだと怪我の予防やパフォーマンスには繋がりにくいですよ?

大切なのは
【筋肉や関節なども含め、身体を準備万端な状態にする】
ということ。

軽く走ってパパっとストレッチ、からの技術的な基礎練習をアップにもってきて“準備”にしている場面をよく見ますが、それだと不十分ですね。

じゃあ何をするのか?
ですね。

ずばり
【背骨の動き】
【胸郭(胸エリア)の動き】
【股関節の動き】

ここを丁寧に引き出す必要があります。

ここは、どの競技、どのカテゴリーの選手でも徹底して、きちんと取り組むようにした方が良い絶対に欠かせない所です。
これに必要なものをプラスしていきます。

そして競技の基礎的な動作に移って・・。
という流れが良いですかね。

限られた時間の中で、効率よく組んでいかなければいけないので現場によってベストな流れを作っていきましょう。

『具体的にどのような動きを行っていくのか?』
『今、やっているけど、これで合っているのか、これでいいのか?』

そういった事は個別にご相談ください。

残念ながら、やっている“風”できちんと出来ていない事がほとんどです。
丁寧にやっていくことで、本当に怪我は減りますし、動きも良くなってきますよ。

様々なトラブルの根本的な原因

さて、冒頭でも書いたように、スポーツをしてると様々なトラブルに遭遇します。
ではその根本的な原因は何なのか・・

ずばり
【体幹部の不安定性が原因】

という事がめちゃめちゃ多いんです。

『体幹が弱い』
なんてよく言われますね。

しかし、これだとざっくりすぎです。
具体的に
『体幹部のどこが、どのタイミングで機能していないのか、それが原因で、どこにどのような影響が出ているのか』
こういった部分まで理解できていないとダメです。

もっと言えば、
『どうやって機能的な改善、強化をし、予防とパフォーマンスに繋げるか』ここまで整理して実際に取り組んでいかないといけませんよね。

では、具体的に体幹部のどこなのか。

特に多いのが
【骨盤・腰椎部の安定性】
ここの安定性が足りないことが様々なトラブルを引き起こす原因となっているパターン。

骨盤・腰椎(腰)が不安定

他の部位を固めて身体を安定させようとする

四肢(手足)に力が入ってしまう

スムーズな動作ができなくなる、無駄に疲れる

パフォーマンスの低下&怪我のリスク増大

なんて流れです。

こういった場合
『筋肉はってんなー、ゆるめよう!』
って事で、自力だったり、治療院とかでゆるめても、うまく出来なかったり、またすぐに張ってきたりします。
レベルアップもしにくいですし・・。

こういった悪循環を断ち切るためにも、根本的な部分から改善し、トレーニングしていく事が重要なんですね。

放っておくと、腰、膝、足首、肩、首などの様々なトラブル。
これが全てではないですが、グロインペイン、オスグッド、シーバー、などを引き起こす要素にもなります。

たまに、成長痛とかで悩んでいる方で
『体幹トレーニングは治ってから(痛みが引いてから)って言われたんですが』
という事があります。

もちろん、バカみたいにきつい、変な負荷のかかるトレーニングは論外です。

様々な痛み、トラブルって、イレギュラーな動作や重心、連動性の無さから起こっている事が多いので、そういった部分の改善には、体幹部の機能改善、トレーニングが必須となります。
人によっては痛みがある状態でも、そこの修正をする事で、割とすぐ痛み無く動けるようになったりします。

『重心ここで、この感じで踏ん張って』
というと
『あれ?さっきは痛かったのに、痛くない!』
なんて流れはざらにあります。

『休んで、○○をしっかりストレッチして』
だけだと、どうせ動き出したら痛みが再発しますからね。

体幹トレーニングが良いのか悪いのか?(そもそもざっくり過ぎて謎)
ではなく、きちんと状態をみてアプローチすればいいんです。

成長痛と言われるものも、何かしら原因があったりします。
『仕方ない』で済ますのは辛いので、もう一歩考えていけたらなと思います。

【骨盤・腰椎部の安定性の獲得】
様々なトラブルの予防としても重要ですし、パフォーマンス向上の為に欠かせない部分でもあるので、きっちりやっていかなきゃいけませんね。

効果的なプログラム

それでは、実際にどういった流れで改善&トレーニングを行うのが良いのか確認をしていくのですが、その前にひとつ。

“骨盤・腰椎部の安定性”ここを獲得するためには、骨や関節などが良い位置にある方が良いんです。
ですので、安定性を引き出すトレーニングを行う前に
【リアライメント(骨や関節のポジションなどを整える)】ができると良いですね。

リアライメントからの体幹部の安定性。
そこから上半身にいくか、下半身にいくかわかれます。

【効果的なプログラム】

パターン①

体幹部の安定性

股関節の安定化トレーニング

下腿(下半身)の安定化トレーニング

パターン②

体幹部の安定化トレーニング

胸郭(肋骨や胸椎など胸エリア)の分離

肩甲帯のバランスアップ、安定化トレーニング

当然、これで終わりではなく、全身を連動させるものに繋げていったり、競技特性も考えながら様々なトレーニングに繋げていきます。

手っ取り早く、動きの悪い所、課題となっている所、強化したい所をやりたくなりますが、そこだけ集中的にやってもうまくいかないんですよね。

姿勢保持にしても、動きにしても、【支点(安定している所)】って必要で、骨盤・腰椎部(腰)が不安定だと、胸や肩、太ももや足首などかためて安定させようとするんですよね。

これだと姿勢や動作は悪くなりますよね。
『胸まわりの動きを出そう』
『筋肉の緊張(はり)が強いからゆるめよう』
としても、骨盤・腰椎部(腰)が不安定のままだと支点がないので、脳が『そこゆるめたら安定させれんけぇダメじゃ』って感じでうまくいきません。

なので、本来、安定させておくべき骨盤・腰椎部(腰)の安定性をちゃんと獲得することが重要なんです。

ここが安定しているから、ちゃんと支点ができているから上半身や下半身の動きが引き出されて、求める動作、パフォーマンスに繋げることが出来るんです。

まとめ

体幹部の安定性を獲得してから、2パターン書きましたが、どちらからいくのが正解なのか、同時進行でいくのか、全く違うストーリーでいくのか・・。
これはクライアントさんによって変わってきます。

下半身の安定性が足りなくて上半身がかたまっている場合は、下半身の安定性からアプローチした方が良いでしょうし、基本機能の部分に問題があれば上からアプローチした方がスムーズかもしれません。

その時によって見極めていく必要があります。
きちんと見極めて、適切なアプローチをしていく事が、不調や痛みの改善、怪我予防だけではなく、パフォーマンスの向上に繋がってきます。

技術や戦術も大切ですが、そのベースは身体。

動作のトレーニングも大切ですが
【安定しているから動ける】
ここを忘れないようにしてくださいね。

『自分の身体はどうなっていて、どうしていくのがいいんだろう』
と思っている方は何時でもご相談ください。
こればっかりは自分で悩んで答えが出るものでは無いですからね。

次回は
【固定と安定の違い】
についてです。

固定と安定の違いってわかります?

似ているようで別物ですからね。
実際に現場でもこだわって伝えてやっていく所でもあります。
お楽しみに。

【身体の仕組み講座】
過去の記事はこちら↓


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枡川 哲 Satoru Masukawa
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