生徒とともに作るルーブリック【論文備忘録】
こんばんは、“もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
今回は【論文備忘録】です。
最近は『理科教育学研究』を中心に、いろいろな論文に目を通しています。
気になったものだけピックアップしているような感じです。
直接的に研究に使うものではないかと思いますが、参考になります。
⓪今回取り上げる研究:竹田大樹・鈴木一成(2021). 「主体的・対話的で深い学びの具現化に寄与する評価の研究」. 理科教育学研究. 61巻 3号. pp.443-456)
理科教育学研究からの一本です。
「主体的・対話的で深い学び」という、教員は逃れられないワードがタイトルに入っている時点で、少し興味がわきました。
①要旨
本論文の抄録をそのまま転載します。
中学校理科における「深い学び」の実現を目的に、教員と生徒が協働してルーブリックを作成し、その実践が生徒の学習に与える影響を探った研究です。
②回収箱モデルについて
恥ずかしながら全く存じ上げていなかった、「回収箱モデル」というものが気になりました。
ルーブリック作成にあたっての方法の1つなのかなと思います。
教師があらかじめ学習課題においてどのようなことが求められているのかということを説明した後、生徒が具体的な評価の視点を定めていく
というスタイルのようです。
教員と生徒が双方向的にルーブリックを作成していくという視点は素敵なものだなぁと思います。
本論文中にもありましたが、
“押し付けられたルーブリックではない”ことで、生徒の学習へのモチベーションも上がる
というのも非常にわかる気がします。
この回収箱モデルの魅力をとても感じました。
③できたルーブリックの妥当性
最後までよくわかっていないのですが、パフォーマンス評価に用いるということでしたが、
この回収箱モデルで作成されたルーブリックを用いて、教師側は生徒を評価する、ということなのでしょうか。
それとも、
作成されたルーブリックをもとに、生徒が自分を評価できている、ということを教師は評価する、
ということなのでしょうか。
こうした、ルーブリックを生徒が作成するという活動を通して、生徒の学びが促されているという文脈なので、教師の評価はまた別の軸にあるように解釈しました。
ただ、
こうして生徒と双方向的にルーブリックを作成していくことが、生徒の学びを促しうる
ということが、評価のあり方を考える参考になる、ということですよね。
このルーブリックが、たとえば教師側の目指す評価軸と相違なければ、そのまま評価にも用いることもできるし、生徒のモチベーションも高くなるという。
うまく運用できれば、とても素晴らしいあり方だと思いました。
④現実的に実施可能か?
研究の対象は中3でした。
さすがに中学校でも3年生くらいにならないと、この活動は難しそうな感じがしました。
論文中の生徒からの案のレベルがめちゃめちゃ高い!
(私の勤務校でも実施できるものでしょうか…)
論文を読んでいる時には、だいたい自分でも実施することが可能なのかを考えるようにしています。
特に、
国立大学附属の学校での実践とか
私立中学校での実践とか
やはり、ある程度の生徒の学力が高めな学校での実践は少し警戒してしまいます。
田舎の公立中学校の事情を踏まえずに、急に現場でやってみようとすると、痛い目にあいそうな気がします。
そこの見極めは今後もしっかりしていきたいと思います。
そんなことを考えた研究でした!
授業を教師と生徒が共に作り上げていくというのは、とても素敵なことだと思います。私もそんな授業を目指したい!
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