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素敵な教員の養成に向けて【読書のキロク・自分的保存版】

こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

今回は【読書のキロク】です。

いろいろな書籍や論文において引用されることの多い、ダーリングハモンド氏の著書(訳本)になります。

きっと、教師教育や教員養成系について興味のある方は、よく知った名前かと思います。
原著にあたるまえに訳されたものを、と思って今回読んでみました。

◯今回読んだ本:『よい教師をすべての教室へ 専門職としての教師に必須の知識とその習得』 L.ダーリングーハモンド J.バラッツースノーデン 編 秋田喜代美 藤田慶子 訳

少し前の本になります。
ですが、いまだに参照されることも多い本だとも思います。

教職大学院の院生に向けて、というよりも、その課程を組んだりする側の人に向けられた本なのかもしれません。

◯概要

教員養成の質を高めるために何が必要か? 教師は専門職として何を学ばねばならないか? 米国教育アカデミーによる教師教育改革のための報告書のオフィシャル要約版。第一著者はオバマ大統領の教育秘書官。教育関係者必読の一冊。

上記ホームページ「この本の内容」より引用

主に教員養成のあり方について書かれた本になります。
私はどちらかというと、「教師は専門職として何を学ばねばならないか?」という部分に興味があるのですが、そこを目的に読み進めました。

本書は、さらに分厚い本から内容を抽出して作られたような本です。
だから、書いてあるのは重要なことばかり。もはや教員養成の教科書的な感じがします。

大事なところをすべてレビューしたらキリがないので、考えたことのみをキロクしていきたいと思います。

◯教師はどこで学ぶのか?

教師はどこで学ぶのか、というのが自分の中では大きな問いです。

教師になるには、日本では教員免許を取得すれば、だいたいの場合は資格を得たことになります。

その免許の取得ルートは、実はけっこう様々。
免許の種類も様々です。

ガッツリ大学生のころから教員養成課程で4年間学び、教職に就く人もいれば、
短大で二種免許を取得し、20歳から教鞭を持つ方もいます。
民間企業等に勤めてから教員になる方もいます。

最近ではこんなニュースもあります。

より一層いろいろなバックグラウンドを持つ先生が生まれる方向だと思います。

そういった背景もあってか、
教員は現場の実践を通して学ぶ
というように言われることも少なくありません。

そりゃそうだと思います。
どのような経緯で教員になったとしても、現場での扱いはほぼ同じです。
もっと言えば、教員になりたての人も、30年以上教員として勤めている人も、ほぼ同じようなことをします。

よく言えばOJTとでも言うのでしょうか。
採用1年目から、これだけ重荷のある職業というのも、なんとなく珍しいのではないかと思います。

それゆえに課題も多いです。
例えば、教員の若手の離職率がそこそこあったりします。
本書で書かれていましたが、アメリカでも同様のようです。

そういった背景を受けて、
教員は専門職としてどのようなことを身につけていくのか
そのために教員養成段階でどのようなことをしていくと良いのか

ということについて書かれたのが本書です。


さて、教員が学ぶ場というのはどこでしょうか。

個人的には、一番は学校という現場だと思います。
おそらく、そう考える方が大多数だと思います。

本書も基本的にはそのスタンスです。教員養成過程での、現場での教育実習等の拡充も含めて、採用前にも現場で学ぶことが良しとされています。

加えて、現場に出てからもなお、そこの教員と関わり続けて学び続ける体制の構築が必要であるとされています。

とても納得するところです。論文等でも引用したくなる事柄です。

では、その具体策はどうするのか、といったところが課題になってくると思います。

◯教員養成課程において

この辺は私の立場で考えることではなさそうなのであまり言及しません。

教員は1年目から第一線で働かなければならない現状を踏まえると、教員養成課程における研修(教育)はとても大事なものだと思います。

でも、もし今後オリンピアンの教員みたいな、特別免許の発行等が進んでいくとすれば、教員養成課程での学びの拡充だけでは足りないとも思います。

加えて、例えば教職大学院に進学してからの採用、となったりしたときには、いっそうのハードルが上がってしまうように思います。

やはり、働きながらの、現場での研修が鍵になってくるように思います。

◯働きながら学び続ける

自分の中では、働きながら学んでいける体制を構築する事がもちろん一番だと考えています。

思ったよりもその具体策については、新しいことは本書には書かれているわけではなかったように思います。
もちろん、現在行われているような授業研究だったり、メンター制度だったり、そういうものは書かれていますが。

2005年の書籍なので、そこでの案が今現場まで具体化されてきている段階のように思います。

そう考えると、本書を読んでから考えるべきは、どのようにしたらその現状の体制をブラッシュアップしていけるかということ。

そんな視点で考えていけると良いのかなぁとも思いました。

◯これは誰が考えるべきことなのだろう

こんなことを考えていたのですが、これは現場の教員(教職大学院生)レベルで考えるようなことなのか、わかりません。

もちろん行政も含めて、大学の先生方とかはこういったことを考えていらっしゃるのだとは思います。

現場の学びを充実させることが大事だとは思いつつ、それが各現場に丸投げになってしまう体制は良くないですよね。

各学校よりももう少しマクロに考えねばいけないことと思います。

そう考えると、これを読んで動き出せるのは誰なのだろう…。
もちろん、ここから現場でできることを考えて実行していくのが我々だと思います。

できることからやっていこう!
と、改めて思った次第です。


そんなことを考えた1冊でした!

あらゆる文脈のベースになるような本だったと思います。

教職大学院なんかでは、引用する方もけっこういるんじゃないかな?
自分的には「保存版」です。

自己紹介はこちらから。


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