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のぞみという名の絶望

新幹線の名前って面白いですよね。
考えてるようで考えてないようで…。

やっぱり東海道新幹線の名前がいいです。
こだま、ひかり、のぞみ、
速くなりたい、って気持ちが伝わってくる。
音速から高速に行ってそれでも足りなくて
その先は気持ちの問題…

昔ある人が自分の部下の児玉くんに向かって、
「おいコダマ、
 お前にはヒカリもノゾミもないな」
なんて、今なら完全パワハラな発言してたのを
思い出しました。

ノゾキミはのぞんでない

もう相当前の話になるのですが、
ボクは出張で「のぞみ」に乗っていました。
そいでまあ、
いくら速いとはいえ長旅ですから
トイレに行きたくなって
車輌のはじっこについてるトイレに行きました。

昔は電車のトイレなんていうと
汚いイメージがあったけどキレイになったなあ。
ドアもでかい。あ、しかも自動ドアじゃん。
このボタンを押すワケね。ほいっと。
「ウィーン」あ。

いたのです。人が。中に。

しかも若いおんなの人で
(しっかり見たわけではないが多分…)
ちょうどすべてが終わって立ち上がって
パンツをあげようとした瞬間でした。

向こうを向いていました。(和式だった)
ボクの目には何やら真っ白いカタマリが
飛び込んできました。(それはおしり)

よく言われるように
そこで時間が止まったような感じで
(とはいえ多分コンマ何秒という
 時間だったと推測されますが)

思わず声も出ず立ちすくみました。
しかし彼女の方の時間は
激しく動いていたらしく
「ああーっ」と激しく叫ばれました。

いや、わざとじゃないんだ。
一瞬にしてアタマの中はぐちゃぐちゃになり
ボクは自動ドアを自力で閉めようとしました。

しかし電動のチカラには勝てるはずもなく、
「ウィーン」と、
もんのすごいスローモーションで
ドアはゆっくりとゆっくりと閉まりました。

そのあいだ、
ボクと彼女は何もすることができず、
しかしただムダにアタフタと
動きまわっていました。

すぐに立ち去ればよかったのですが、
ボクの方はそれで解決するのですが、
ボクがそこから立ち去った後には
ポッカリとドアの空間があいて
外から丸見えになってしまうような気がして
…と言っても彼女はすぐに
パンツをずりあげたからいいんですが…

とにかくボクは自分の尿意も忘れて
飛ぶように自分の席にもどったわけです。
それからは
彼女が前を通っても気づかないように、
アタマをすっごく低くして、
息を殺して座っていました。

それからどれだけかたって
もう一回トイレに行ったのですが、
(犯人は現場に戻る、という
 心理がわかるような気がした)

なんとそのトイレには内側から
鍵をかけるようになっていたのです。
自動ドアなのに鍵をかける…ってのは、
なるほど不思議なモノで、
多分彼女はそんなことには
全く気づかなかったのだと思います。

最近新幹線に乗ったときには
トイレのドアは自動じゃなかったです。
たぶん同様の事件が頻発して
自動じゃなくなったんだと思います。

いやあ、便利な技術ってやつには
思わぬ落とし穴がありますね。
しかしあのドアが閉まるスローモーションは
体感5分くらいに感じました。

あのおしりの輝くような白さは
人生で二度と見ることはないと思います。
いや、のぞんでないですからね。マジで

次回の言葉は「恐れ入りました」です。

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