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アニメの方が実物よりうまそうで困る

CMにアニメを使うってのは
歴史的に見ても王道中の王道である。
なんたってCM第1号がアニメだった。

その後膨大な数のアニメCMが作られた。
アニメはどんどんレベルを上げて、
CMに使われるものはちょっと手抜きになった。

それも当たり前の話で、
CM用にそんな時間はかけてらんないし、
レベルを上げればお金もかかる。
やるとしても番組連動が多かった。
どうせ金かけるならタレントに、ってことだ。

それが1年くらい前からガラッと変わっている。
本編と同等のレベルで、
しかもオリジナリティを持つものが出てきた。

番組のタイアップではない。
・・なのに異常に力入っている。
曲もこのために作られてる。声優さんも一流。
制作のMAPPAも「呪術廻戦」作ってるとこだ。

なんか突然変異的な動きかと思ったが、

大手も作り出している。別のこのキャラで
テレビアニメが始まるわけでもないらしい。

考えられる背景は二つあって、
一つは技術的なこと。AIやCGの進化で
制作期間が短縮できるようになったのでは。

もう一つは若い世代へのコンタクト。
実写で見せるよりよっぽど関心を惹く。
というか、もう普通の見せ方では反応しない。
長ものも多いので、Webとの親和性も高く、
その点でも世代に届きやすい。

結果的に、興味を惹くだけではなく、
商品の内容についても深く理解させることが
実は可能になっている。

これなんかは
話としては食べてるだけなのだが、
そこにすごい情報量がある。

実写だとただうまそうに食べるだけだが
それだけじゃCMっぽくて嘘くさい。
やたら寒いところで食べる。
食べ方も工夫してオリジナリティを入れる。
そういうところも虚構の世界だからこそ
無理なくできる。
しかも逆に本当に見える。共感する。

感覚が完全に逆転する。
「アニメだからうまそう」なんである。
昔のアニメCMなら最後必ず実写に戻る。
しかし全く戻らない。
しっかりしたパッケージのショットもない。

伊右衛門もそうだったが、
実写じゃない方が「振って飲む」ことも
よく伝わるし、やっぱりうまそうだ。

これなんか、テーマがシズル感だったりする。
どうすればうまそうに撮れるか、を
アニメでやるってもうなんだかわからない。

リアルを捨てた方が真実だってこと。
もう人は普通に見えているものは信じられない。
そんな時代になってるってことだ。
若い人には当たり前のことなのかもしれんが、
おじさんはちょっと驚いている。

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