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言葉のことばかり【ヤバ】

「ヤバイ」の歴史

いつの間にかフツーのコトバになってる
語ってありますよね。

たとえば「ヤバイ」なんかがそうです。
最初は若者言葉みたいに言われたのが
いつの間にか小学生でも
フツーに使うコトバになっちゃってます。

それでもお母さんに
「そんなコトバ使うんじゃありません」
なんて叱られてたりするのは、
やっぱり成り上がりだからですかね?

たぶんお母さんが
「使うんじゃありません」って言うのは、
コレが不良っぽい(←死語)からだよね。

だとすると何か彼らの間に
「このコトバが発生したもと」
があるはずなんですけど、
どうもそれが思い当たらない。

似てるとしたら「夜這い」くらいだけど…
不良より死語だし。

で、調べてみたら、なんと
もっとぜんぜん古いコトバなんですね。

辞書にちゃんと出ていて、
「やば」の形容詞化。
盗人・香具師(やし)などの隠語』
なんて書いてある。

ぬすっとですよ。
こりゃそうとうにヤバイです。
香具師ってのは、昔のヤクザですね。
これもヤバイ。

不良っぽいってのは、
ある意味当たっていたわけです。
さらにプロ用語だったわけですが。

「ヤバ」のニュアンス

こうなると「やば」が気になってきますね。
やばの形容詞化って言われてもね…。

で、さらに調べてみると、
「イヤアブナイ」(彌危ない)という説と、
「危ない」と言う意味で『あやぶい』
という説があることがわかりました。

「あやぶい…あ、やぶい…やぶい…やばい」
って感じでしょうか。
どっちにしても「危ない」んですね。

たしかに「ヤバイ」って口に出しちゃうときは
「危ない」ときではあるわけですが、
微妙にニュアンスが違って、

普通の「危ない」はわりと瞬間的なもんですが、
「ヤバイ」はそのちょっと前。
何かをやる前に「その行動は危険だろう」
というニュアンスが強いような気がします。
スピード感がない。

これが転じて「それやるとバカにされるぞ」
みたいな感じですね。

それがさらに進んで「危険なほどかっこいい」
って、褒めコトバに変わり、
今では、褒めてすらいない。

「あ、なるほどね。」
くらいのニュアンスになっちゃった。

言えるのは「それほどに使える言葉だ」
ということですね。
使い勝手のいい言葉は広まります。

ヤバイ=「!」

使い勝手がいいとどうなるか。
人は考えなくなるんですね。

ひとつの道具でいろいろ使える。
オールインワン。
スマホみたいなもんですね。

いろんな感情がひとつの言葉で表せてしまう。
これはラクです。
楽できれば当然そっちを使う。
微妙なニュアンスは切り捨てられる。
語彙力がどんどん失われる。

これはヤバイ。(本来の使い方)

と言いつつ、実際のところ、
使い分けはされてるように思います。
それこそニュアンスで。

声のトーンとか、表情とか。
ヤバイよヤバイよ〜、だったり、
ヤバっ、だったり、

実は細かい感情の違いを、語気で表してる。
逆にかなり高度なコミュニケーション。

言葉を新しいニュアンスで使う新しい世代が
感覚に乏しいわけはなく、
使い方のルールも新しくしてる。
単純に楽しんでるんだと思います。

とは言え、楽したいってのも確かで、
それで消えてく言葉があるのはちょっとね。

そういえば「ヤバイ」って
「!」に似てるね。
これ一個で膨大な意味や感情を表現する。
強めたいときは「‼︎」2個使う。
「ヤバイよヤバイよ」と同じか。

次回の言葉は「ほどよい」です。

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