言葉のことばかり【エレベーターとエスカレーター】
間違うはずのないものを
間違う人は案外多い。
実は、エスカレーターとエレベーターを
間違っちゃう人って、意外と多い。
うちの奥さんもそうだ。
「エスカレーター…じゃなくて、
エレベーター…じゃなくて、
エスカレーター」みたいに、
言ってて自分でわかんなくなっちゃうみたい。
もっとすごいのはアカバさん(仮名)で、
一瞬、右と左がどっちがどっちだか
わかんなくなってしまう(らしい)。
これはさすがにちょっと引いた。
右利きの場合、お茶碗持つ手が左だ。
最初に覚えたときに、
ごちゃごちゃっと覚えちゃったせいなのか、
その後なんらかのショックが
脳に与えられたのか定かではないが、
こういう「ヘンに覚えちゃった」ケース
…というのは意外に多いみたいである。
そんなの間違うはずないじゃんって
思うのが普通なんだが、
自分(だけ)にとってはややこしい、
ということがなくはないのは確かだ。
エレベーターと
エスカレーターって
ちょっと異国の姉妹みたい。
エレベーターとエスカレーターの場合、
生活の中で存在感が近くて、
意外に両方最初が「エ」から始まるってのが
原因だと思われる。
そんなくだらないことが原因…だと思う。
エスカレーターとエレベーターって
感覚として完全に日本語だ。
英訳された感じはなくて
最初から言葉があった。そんな感覚。
こういう言葉はいっぱいある。
チョコレートとかね。
そういう最初からあるカタカナ語は
逆に日本語にできない。
外国人の名前みたいなものかもしれない。
意味があるから言葉があるんじゃなくて
もうそこにある。
だから日本語に訳せない。
エレベーターとエスカレーターって
そういう匂いがある。
ちょっと名前っぽい。
愛称と説明の差。
エレベーターとエスカレーターは
機械なのに機能を説明してなくて
まるで愛称のようになってる。
愛称になってるからキャラクターがあって
それが浸透してる。
逆に「動く歩道」には愛称がない。
英語だとmoving walkwayか?
これは説明で、なんかかわいくない。
だから浸透しないんだと思う。
いや、浸透してないから愛称がないのか?
愛称が付くと急に一般化する。
ETCはElectronic Toll Collectionで、
まんま電動料金徴収機。
長いと説明だけど略するとそれが抜けて、
ただの愛称になり、急に浸透する。
昔これにさらに愛称をつけようとして
イーテックと呼ぼうとしたことがあったが
まったく浸透しなかった(公募だった)。
略称じゃ可愛げがないと思ったのだろうが
ETCの方が可愛かったということだな。
…何となくわかる気はする。
エレベーターと
エスカレーターの
本当の関係。
エレベーターとエスカレーターって
つい並べて見ちゃうけど、歴史的に
エレベーターの方がかなり古いだろうし、
すごく似てる姉妹だと思ってたけど
実は血のつながりがなかったんじゃないか
という疑惑が急に浮上した(自分の中で)。
パッと見、エスカレーターは
エスカレートだよな。
怒りがエスカレートする、みたいに
まあ、グングン登ってくイメージか。
これだとエレベーターの方が近い?
いや、階段状に上がってく方がリアルか。
なんて勝手に考えた。
で、調べてみたら
なんと、エスカレーターが先にあって、
エスカレートはそこから派生したと…。
なんか急に盛り上がるやつがいたとき
「おまえ、エスカレーターみたいだな」って
そこからエスカレートが生まれたってこと!?
あと、エスカレーターはエレベーターの
「ター」をくっつけてできたって?
これじゃあ姉妹じゃなくて親子?
もしくはクローンの変異型じゃないか。
いやいや、真実は怖しいね。