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冬のいい匂い選手権

すごく個人的な感想だが、
冬はいい匂いに敏感になる気がする。

たぶん寒くて扉を閉めてるので
部屋に入った瞬間、ふっと匂うから。

そういう匂いって、まあ食べ物だな。

いい匂いっていうと、
石鹸の匂いとか、薔薇の香りとか、
そういうの思いがちだけど、
それらとは別のくくりのいい匂い。

カレーとかはちょっと違う。
アレは扉とか関係ない破壊力がある。
そういうのは、ふっとは気づかない。
もうガンガン匂ってくる。

たとえば目玉焼きの匂い。
アレってけっこう複雑な匂いだ。
バターの匂い、白身の焼ける匂い、
特に端の方がチリチリと焦げた匂い、
それぞれがいい匂いか、と言われると
それほどじゃないかもしれないけど、
トータルでなんかすごくいい匂いになる。

こういうのはそんなに遠くからは匂わない。
朝、焼いてる横を通ったとき、
お、なんかいい匂い、なんて思う。

ちょっとフライパンに顔を近づけるくらい
その感じがなんかいい感じである。

寒い夜、道を歩いていてふと入った町中華。
扉を開いた瞬間にいろんな匂いがする。

どんな匂い、とはヒトコトでは言えない。
アレとコレとソレとなんかの混じった匂い。
いろんな匂いを油で括ったような匂い。

時と場合によっては決していい匂いじゃない。
だけどあの場所に限っては珠玉の香り。
席について落ち着いて鼻をクンクンすると
それぞれの匂いが嗅ぎ分けられるようになる。

ギョウザはそれ自体そんなに匂わないが、
焼けた油と、いい感じのコゲの匂い。
ここでニンニクまで嗅ぎ分けられれば達人。

チャーハンは初心者向け。
米の焼ける匂い、肉とネギの焼ける匂い、
いろんな焼ける匂いがフライパンの上で
宙を舞っているから、その合わせ技が来る。
空気を焼いてるような感じでもある。

そんな中でもいちばん通だと思うのが
普通の醤油ラーメンの匂いだ。
とんこつだの味噌だの手が込んだのじゃない
ホントにただのラーメンの匂い。

ダシとコショウと海苔の香り。
アレは手元に来た時にふわっと匂う。
あと何だろう。麺の匂い、かんすいかな。

家で作っても感じないんだよな。
プロの技がそんなとこにも出るのか。
ただでさえ複雑に匂いが絡み合ってる店内で
それぞれがまた複雑に匂いを作る。
ごちゃごちゃなんだけどなんか一つになってる。
まあ思い込みかもしれないけど。

夜、酔っ払ってると感覚は鈍くなるのに
その辺だけ妙に敏感になったりして、

まあ思い込みかもしれないけど・・

次回の言葉は「競技〇〇」です。

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