阪神大震災の朝、必死に願ったこと。
あの日から今日で25年。
あの日、お腹の中にいた娘も、今年25歳になる。
ボクたちは、阪神間の小さなマンションに住んでいた。
妻は妊娠9ヶ月だった。
初産だったので、あの日に生まれてもおかしくなかった。
電気もガスも水道も失われたあの日、「いま産気づいたら一体どうすればいいんだ」と、ボクは頭を抱えていた。
1月17日の朝から、実際に生まれた3月6日まで、避難生活を続けながら、ずっと願い、ずっと祈っていたことがある。
無事に生まれて来てくれさえしたら、もう他に何もいりません。
今日、阪神大震災の日は、ボクにとって、一年に一回、その切実な願いを思い出す日でもある。
あのさ、お前さ、「もう他に何もいりません」って、必死に神様・仏様・八百万(やおよろず)の神に誓ったよね。
もう他に何もいりません、って。
必死に。
なのに、いろいろ多くを望みすぎだよ。
娘に対しても。
自分に対しても。
世の中に対しても。
そう、もう他に何もいりません。
あんな大地震をくぐり抜けて、生まれてきてくれただけで一生分のラッキーを使ってる。
一年に一回くらいちゃんと思い出そうな、オレ。
謙虚に、感謝を忘れず、生きていこう。
※
あの日のことを、くわしく書いています。
古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。