超時短スパイスカレーを、生活にとりいれてみる
スパイスカレーを毎日のように作ることにした。
作れるかなぁ、続くかなぁ、と、年始から試行錯誤をしはじめ、ここ1ヶ月ちょいで15回ほど作ってみた。
うん、なんとか美味しいのを作れるようになったし、それなりに続けられそうだ。
ということで、noteにも書いてみる。
これからも頻繁に作るよ。
朝に15分で作って食べ、それを昼の弁当にもするつもり。
美味しいし、簡単だし、飽きないし、苦しんでランチに出かけなくてもいい。
こりゃええわ。
(↑写真は「なすのスパイスカリー」)
もともと、2年前に突然アニサキス・アレルギーになり、魚介類が食べられなくなったことがすべての始まりだ。
生でも焼いても煮ても魚は食べられない。
ダシやエキスも食べられない。
そうなると外食は単なる苦痛と化す。
魚を避けられても、ダシが無理。和食店も定食屋も蕎麦屋もうどん屋もラーメン屋も行けない。なんならコンビニで売ってる加工食品にもさばエキスとか普通に使われている。
特にランチが苦痛。
(日経デジタルにランチ連載とか持っていたオレなのにw)
夜には対応してくれる店も、ランチセットみたいになると対応が難しいし、サクッと食べられるような店ほど、たいていダシを使用している。日本の場合、普通のカレー屋さんとかでもダシ入れてるからね。
ランチのたんびにイヤな思いをし、ウツっぽくなる。
焼き魚定食ラブだっただけにランチ店を頭の中で検索するだけでつらい。
そのうち友人とご飯食べるのもイヤになっていく。
もうオフィスとかに引きこもりたいが、売ってる弁当もダシやエキス使用しているものがすごく多い。
じゃあ自分で弁当つくって持っていこうかと思うのだけど、なかなか料理の時間がとれないのと、なんだろう、「魚を避けた料理を作る」ということ自体が楽しくないのである。
アニサキス・アレルギーになる直前まで、鮨教室にひとりで通っていた。
魚をしこしこ捌いて、老年以降「サカナ生活」をしよう、と決めていた。考えに考えた末、「やっぱサカナだな」って絞って攻めていたのだ。
↓ 2年ほど通ってこのくらいは作れるようになっていた(2つとも自作です)(もちろん先生の助けも借りてます)。
それが不可能になった今、魚を避けて何か野菜料理とか肉料理とか作っても、なんかアガらないというか、つらいだけなんだな。
なんか「直球が通用しなくなった投手が変化球でしのいでいる感じ」がどっかでつきまとう。ヴィーガンやベジタリアンもどこかで「しのぎ」が感じられてしまって、自分の中では「仕方ないから食べている感」が残る。
じゃあ、どうすんだよ・・・。
しっくり来るものがなく、長く悩んでいた。
で、あるときふと、スパイスカレーはどうだろう、って思った。
ルーを使い長時間煮込む「カレー」ではなくて、ルーを使わずスパイスでさっと炒めて作るカレーね。どろっとした感じがなく、さらっとしたアレね。
スパイスカレーは、友人が何人か凝っていて、何度か食べさせてもらったけど実に美味しい。本場インドでも食べて夢中になった。
あれを作るなら、なんかアガる。
もともとインド料理はベジが多いから、「変化球感」「しのぎ感」がないし、野菜だけでも充分作れる。
南インド料理とても好きだし、なんかスパイスって元気になるからね。しかも具やスパイスを変えればいろいろとバリエも作れるから飽きにくい。
そのうえ、調べていくうちに「超時短できること」にも気がついた。
まず、年始にこんな本を買った。
超初心者用かつ簡単本である。
ボクの場合、アレルギーに対する心理的対応なので「続くこと」が第一優先事項だ。なので、凝ったカレーは逆に害。続かない。
毎日作っても苦にならないのが、ボクの中でのいいカレー。
で、これがいい本で。
本当に超カンタンだったのだ。
まぁこれなら誰でも作れるわ。しかも失敗がない。
読んだだけでも震えるほどカンタンだったが、自分で作ってみてそのカンタンさにもっと震えた。
まず、調理時間が短い(20分)。
そのうえ、材料がシンプル。
2人分なら、ほぼ全部「1」と覚えればいい。
具1種類(鶏なら200g、パプリカなら3つくらい)
玉ねぎ1(みじん切り)
トマト1(ざく切り)
にんにく・しょうが1かけずつ(みじん切りかすりおろしか)
サラダ油大さじ1
クミン・コリアンダー・ターメリック・塩、それぞれ小さじ1
(辛いを足したい場合はレッドチリペッパーも小さじ1)
水100ml
こくがほしい場合はヨーグルト100g
4人分なら、これの倍、用意すればいい。
スパイスはまずは3つだけ。
コリアンダーとクミンとターメリック(すべてパウダーね)。
辛さが欲しい場合はレッドチリペッパー(ボクにはこれだと辛さが足りないので途中からカイエンペッパーにした。その場合辛いので4人分で小さじ1/2でいい)。
その後、少しずつ買い足していって、いまはこのくらい。
他にフェヌグリーク(カスリメティ)とフェンネルをネットで小袋で買ったくらい。
コツは「具だくさんにしないこと」かな。
カレーって思わず具だくさんにしたくなるけど、あえて具はひとつ。
スパイスカレーは「具の主役をスパイスで炒める料理」なので、主役をひとつ決めて、そいつをいかにおいしく食べるかを想像しながらスパイスを調合する感じで今は作ってる(毎日作っているうちに考え方がまた変わるかもだけど)。
で、上を用意したら基本的に次の順番で作っていく。
玉ねぎを炒める時間の長さに寄るけど、だいたい20分。
しかも、順番入れ替えても、適当に時間を変えてもだいたい失敗しない。
●玉ねぎ・にんにく・しょうがを飴色になるまで強火で油で炒める。
●トマトを入れて2分強火(トマトざく切り。木べらでつぶしながら)。
●弱火にして、スパイス類を入れて(先に小皿で調合しておく)1分。
●強火に戻し、鶏いれて、ヨーグルト入れて、水入れて、沸騰したら10分煮込む。
●最後に味見して、塩が足りない場合、塩。
※具材を肉ではなく野菜にするなら、ヨーグルトはいらないし、煮込む時間も1〜2分くらいでいい。
これだけだ。
で、作り慣れていくうちに、とにかく失敗がないこともあって、自分なりにアレンジも加えられるようになってきた。
そして、もっとシンプルな作り方になった。
トマトは2分も炒めず、生っぽさを活かすために1分弱になった。
野菜を具にすることが増え、ヨーグルトは使わなくなった。
炒める油をココナッツオイルにしたら急に美味しくなった。
あと、これも大きかったな。玉ねぎだけ先に大量に炒めておいて、ラップして冷蔵(もしくは冷凍)しておく、という技を覚えたのだ。
これによって、調理時間が半分くらいになった。
超時短である!
↓写真は玉ねぎ2つ分くらいずつをラップしたもの。右上のは「みじん切りを焦げ茶になるまでしっかり炒めたもの」。左の2つは「スライスを飴色に炒めたもの」。まぁ出来上がりに思ったほどの味の違いはでない。
で、今はこんな感じ。
まず、【下ごしらえ5分】(4人分)
●冷蔵した炒め玉ねぎ(1個分。飴色)と、つぶしたにんにく1かけ(にんにくクラッシャー使用)、すりおろしたショウガ(1かけ)を用意。
●トマト1個(小さいのなら2個)をざく切り。
●スパイスを小皿で調合(後述)。
●具は一種類。適当な大きさに切っておく(量も適当。多くてもいい。写真はパプリカ)
●水を300ml汲んでおく
次に、【調理6分〜14分】
●ココナッツオイルを鍋に入れ、軽くテンパリング(後述)【1分】
●強火で、にんにくとしょうがを入れて数十秒炒め、冷蔵した炒め玉ねぎを投入。これも数十秒炒める。そしてトマトを投入して1分ほど炒める。【2分】
●弱火にしてスパイス投入。焦がさないように混ぜ混ぜる。【30秒】
●具を入れて強火にして混ぜ炒める。【30秒】
●水を入れて煮る。肉の場合は10分ほど。野菜の場合は数分。【2分〜10分】
●最後に塩で調味。テンパリングを最後にすることもある。
感覚的には、下ごしらえから計って10分強だ。
なぜかというと、煮込み始めたらコンロのタイマー押してキッチンから離れるから、調理しているのは実質10分強という感じなのである(コンロの火はタイマーで勝手に消える)。
↓これは「キャベツのスパイスカリー」を作ったとき。
トマト多め、キャベツ大量。
下ごしらえ時間を入れて10分って、超ラクチン!
朝、忙しいときも、あっという間。
そして、かなりいい加減にやっても失敗はしない。
しかも、トマトピューレやチューブにんにくなんかを使うともっと時短できる。
だから、朝さっと作って、タッパーに入れて、冷凍ご飯とともにお弁当に持っていったりも出来る。
(ジップロックのスクリューキャップのヤツだと漏れない。保温のお弁当箱にしてもいいけど、オフィスにレンジあるし、まぁ当分これでいいかな)
(↓これはパプリカのスパイスカレーをタッパーで食べてるとこ。そのうちオフィスにお皿を持っていこう)
具の主役について。
まだそんなに試していないけど、鶏、パプリカ、キャベツ、ナス、オクラあたりは試した。すべて一種類のみ使用。意外とキャベツカレーとか美味しかったな。
たぶん、何を入れても合うし作れる。季節の野菜を主役にするのが一番楽しそう。
スパイスについて。
スパイスの調合は、いろんなパターンがあるけど、まず基本を何回かやってみるのがオススメ。
ボクは印度カリー子さんの本から入ったので、まずはそれを数回作ってみて、そこから少しずつ応用していった感じ。
(1)基本中の基本1(印度カリー子さんの基本調合4人分)
●コリアンダー小さじ2
●クミン小さじ2
●ターメリック小さじ2
●レッドチリペッパー小さじ2(いまはカイエンペッパーを使ってる。カイエンペッパーの場合、辛いので小さじ1/2くらいから試すといい)
これを数回作ったあと(充分おいしい)、以下の本を読んで、雄飛さんの調合も試した。とても美味しかった。
(2)基本中の基本2(小宮山雄飛さんの基本調合4人分)
●コリアンダー小さじ1
●クミン小さじ1
●カイエンペッパー小さじ1/2
●ターメリック小さじ1/2
●ガラムマサラ小さじ1
辛さを調整したい場合はペッパー類の量を変えるだけ。
辛いのが好きな人は、ペッパーを多めに。そうでもない人は少なめに。辛さが欲しくない人はペッパーをゼロに。そうすると全く辛くないスパイスカレーが出来上がる。
あと、味は塩で決まるので、塩の量に注意。
ボクはいまは出来上がりのときに塩を入れて調味する方式にしている(塩分控えめにしているし)。
で、その後、水野さんのこの本を見て、スパイス調合の無限のバリエを知った。この本のスパイスメソッドは便利。考え方が広がった。
テンパリングについて。
テンパリングとは、炒める油にスパイスの香りを移す、という儀式。全体の香りに影響を与える。
パウダースパイスではなくホールスパイスを使って、カルダモンやらマスタードシードやらグローブやら入れる(いまのところ、これも気分で適当。カルダモン好きなので、カルダモンはわりと使う)。
これ、調理の一番始めにしてもいいけど、一番最後にするほうがより香る。
ただ、最後にする場合、違う鍋を使わないといけないので、「超時短派」としてはちょっと面倒だ。だから今は一番始めにすることが多いかな。しないこともわりとある。
まぁまだ15回ほどしか作ってないので、ぜんぜん初心者なんだけど、でも、なんかのんびり続きそうな気がしている。
いま適当にやっていることも、そのうちもっと凝ってやり始めるかもしれないけど、ただもう「外食を避けるために苦にならずに続けること」が目的なので、あんまり凝りすぎないようにしようと思っている。
コミュニティ4thのタケナカリーやナンちゃんもいろいろ教えてくれるので、超時短を守りながらちょっとずつ楽しみを増やしていこう。
ということで、超時短スパイスカリー生活、またたまに書きますね。
↓「パプリカのスパイスカレー」も美味しかった。
このときは、コリアンダー(小さじ4)、カルダモン(小さじ2)、ターメリック(小さじ1/2)、フェヌグリーク(小さじ1/2)、フェンネル(小さじ1)だった。超さわやか系。
【追記】
たまねぎを休日に一週間分炒めておく。
※ スパイスカレーのログはこちらにまとめて行きます。
古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。