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Day285:『経営の教科書』ー社長がおさえておくべき30の基礎科目

著者:新将命
出版社:ダイヤモンド社

Q.社長が押さえておくべき経営の原理原則は何か?


■なぜ今、原理原則が必要か?

多くの企業は猫の目のように目まぐるしく変わる「流行」に踊らされるばかりで、肝心の「不易」を忘れている

「何がいけないのか?」「どうすればいいのか?」「どこから立て直すのか?」ばかりに目が向いている

なぜ、この本が役に立つのか?
企業経営の80%は、ほとんどの会社も同じだから


■著者のメッセージ

「生き残る」会社ではなく、「勝ち残る」会社に


■問い①:厳しい環境だからこそ、語れる夢があるか


理念とビジョンは利益につながる

人は、大きなことを信じたときに大きな仕事をするが、97%がビジョンや理念を使っていない。

理念とビジョンを持っていると良いこと

多様化時代の求心力になる
社員の誇りと自信につながる
ステークホルダーからの信頼と尊敬を獲得できる
優れた人材の採用に有利
業績の向上につながる

・大局観の磨き方(「多・長・根」)

多面的・複眼的に物事を見る
短期ではなく長期で見通す
枝葉末節ではなく根本に注意を向ける

■問い②:その夢は、会社にとって役立つものか


・経営者にとって最も重要だと思う資質
平均を上回る知性と極度に高い倫理性

・経営者の高潔さ
言行一致の度合いと約束を守ること

・気づきと行動があれば、品性も変えられる
経営者が成さなければならない仕事は学ぶことができる

学びえないけれど、身につけなければならない資格
→天才的な才能ではなく、その人の「品性」

”人は結局思った通りの自分になる”(ゲーテ)


■問い③:夢を語れるだけではなく、目標にして示せているか


・経営とは
「今どこ」「どうなりたい」「どうやる」「どうなった」
(経営者が考えるべきは「何を」社員が考えるべきは「どのように」)

・目標をどう作るか(SMART)
目標設定次第で、社員の満足度は三倍変わってくる
S:ストレッチ(←ここ、新しい!)

M:測定可能

A:納得

R:経営資源の裏付け

T:デッドライン

・コミットメントをどう醸成するか
森を示した上で木に落とし込む

・社員をやる気を起こさせる5つの手順
森を示す→なぜあなたなのかを説く→正しい権限委譲→8褒め2叱り→構成な評価と処遇

・戦略をどう作るか
理念・ビジョンに基づいた目標、「どうなりたい」と達成するために必要となる「何をやる」「どうやる」のこと

・生きた戦略11条件
1、企業理念(ビジョン)との整合性がある
2、成長市場で勝負している(市場性、収益性)
3、差異性と優位性を伴ったコア・コンピテンス(中核能力)がある
4、フォーカス(集中)とシナジー(相乗効果)がきいている
5、経営資源(ヒト、モノ、カネ、時間など)の裏付けがる
6、参加・参画がある
7、社員全員に十分にコミュニケーションされ、理解と納得が得られている
8、部門・チーム・個人単位の”戦術”に具体的に落とし込まれている
9。現場で確実に実行に移されている
10、事後評価とフィードバックのPDCサイクルがまわっている
11、環境変化に対応してタイムリーに変更を加えている

■問い④:目標を実行に移せているか


景気の悪さを100万回嘆いても、業績の改善には結びつかない
「世間の景気が悪い」「消費者の財布の紐が固くなってる」「政府の規制が問題だ」「社員がよく働かない」

・優先順位

忙しいという口癖は、優先順位付けができていないサイン
死守すべき時間は予約しておく(妥協しない予約時間)

(例:本を読む(1日最低1時間)、ジムで汗を流す(週に最低2回)、海外旅行に行く(年に一回))

”慢性的な残業は無能力の証で悪徳”
ージョンソン・エンド・ジョンソン社員の言葉
”短期は損期”
顧客に優先順位をつける際には、今だけを見て判断しない

・胆識を養う(3つの「識」)
知識
見識:知識に自分なりの考え方を加えたもの
胆識:見識(知識+自分の考え方)+決断力+断行力

ものを知っていて、それに自分の考え方を加えられて、なおリスクを恐れずに決断し、決断を断行に移すことのできる能力

「判断」・「決行」・「断行」(胆識のやりくり三断)


・闇雲にリスクを取らないための2つの方法
1、自分と反対の性格の人間をそばにおく
2、撤退プランを作っておく

・目標を達成できなかった7つの理由
1、目標そのものが高すぎた
2、納得目標でなかったためやる気がでなかった
3、やり方(プロセス)が間違っていた
4、供給者のニーズの押し付けのみが先行していて、お客様のニーズに十分耳を傾けていない
5、目標達成に対するインセンティブがない
6、徹底力が足りなかった
7、大きな状況変化が起きた


■問い⑤:目標に向かって共に進める社員がいるか

経営とは、人を通じて物事を達成する技なり
経営とは、平凡な人に非凡な仕事をさせる技なり

・任せて失敗した時には?
任せてできなかった社員を非難しない

人ではなく「もの」「事」を指摘する

・社員の採用に失敗しないためのポイント
転職動機
結果が出せる人材か
チャレンジ精神と学習意欲
目標志向の人間であるかどうか

■問い⑥:心の通うコミュニケーションはとれているか


・部下との人間関係(「丁寧感微名」)

丁寧に
いいところを認める
ありがとう
微笑み
会話に相手の名前を

■その他、大切なこと


・心の強さ

強靭さをもたらす5つの方法

1、夢を描く
2、失敗という言葉を追放する
3、勝海舟「氷川清話」を心の支えとする
4、命までは取られないと考える
5、環境を変える

・著者が長いビジネス人生で、最も役立った言葉
"FUN”
「何かに取り組む時、「真剣」にやるのは良いが、「深刻」になってはいけない」(松下幸之助)

■最後に
・学ぶ心を持ち続ける
”学べば老いても衰えず、死んでも朽ちない”
(「有用の学」「無用の学」ともに大切にする)

少にして学べば、壮にして為すなり。
壮にして学べば、老いて衰えず。
老いて学べば、死して朽ちず。
佐藤一齋「言志四緑」

会社で朝から晩まで仕事では、増えるものは白髪とストレスだけ

・環境づくり

月に最低1〜2回は啓蒙会や勉強会へ
1日に最低30分から1時間は読書に充てる

・謙虚さ
倒産原因の1番目は、社長の傲慢さ
真の自信のバロメーター

・3人のメンターを持つ

先生(教えてくれる人)
師匠(知恵を授けてくれる人)
パートナー(理解してくれる人)


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