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Day233:「ネクストカンパニー」ー新しい時代の経営と働き方
【本について】Day224
タイトル:ネクストカンパニー 新しい時代の経営と働き方
著者:別所宏恭
出版社:クロスメディアパブリッシング
【WHY】
これからの「会社」「仕事」は、どう変わるのか?
■日本と日本企業が直面している不都合な真実
先進7カ国で最下位の労働生産性(2015年以降、横這い)
・・もう日本では、「高品質で安く」は作れない(さまざまな分野で中国にとっくに追い抜かれている)
→薄利多売のビジネスが通用しない時代になっている
■三重苦
1、労働人口:今後40数年で約8808万人(約31%)人口減少
生産年齢人口が2015年の約7728万人から2065年の約4529万人へと約41%、3200万人も減る(労働人口:労働可能な能力と意思をもった15歳以上の人)、働き盛り世代が、グッと減る
2、労働時間
3、労働者の年齢:65歳までの雇用が義務化され、2021年4月からは、70歳までの雇用が努力義務に
三重苦の結果、企業が労働者一人を一定時間雇うためのコストは確実に上がる
■大量生産、大量消費時代のビジネスモデルは中小企業は生き残れなくなる
・・いいものを安く大量に作り、たくさん売るという考え方を根本的に変えなければいけないところまで追い込まれている
■商品のライフサイクルが短くなっている
■日本の中小企業の労働生産性が低い(下請け仕事だから)
■最適化の罠
・・100%の最適化は危険→データを絶対視して、最適化を図っていくことで、結果的にどのチャンネルでも同じような形式、演出、同じような出演者の番組ばかりになる→魅力がなくなる
■高品質な商品のコモディティ化
■日本人はサンクコストに囚われがち
■日本人は単に「記憶していること」を「知っている」ことと考えがち
■正解が存在すると考え、正解に直結する解答のみを覚えることが勉強のメイン
■知ろうとする能力、考える能力が育まれない
■スマートグラスによって加速する情報が劇的に変化する時代がやってくる→組織の流動性も高まる
【著者の主張】
・「コスト削減」「いいものを安く大量にたくさん売る」に未来はない
⇄商品の価値・・価格を高くする
→ゼロベースで考えて商品を作っていかないと儲からない時代に突入
・生き残っていく方策を真剣に考えること
・スピードは、これからのビジネスでますます重要になる
(決断を早くする、すぐに始める、すぐに修正する)
【重要な問い】
自社の商品・サービスの価値をどう高めていけばいいのか
【WHAT】ネクストカンパニーとは
・2020年代を突き抜けて繁栄していく次世代の会社
・2020年代の経営は、高く売ること
経営は「どうやって売るか」と考え、社員も「高く売る方法」を考えられる人材が評価される。
「高く得るための工夫や方法」に集中する。
その先に新しい価値、新しい体験、新しい感動を生み出す産業に変わる必要がある。
・新しいビジネスの種は「情報」
情報は、”飛躍を生むビジネスの前提”、ほんのちょっとした違和感など、見落としてしまうような部分に隠れている
・これから必要とされる人材
多くの人がなんとなく心に持っているニーズを引き出し、「これが欲しかったんだ」というウォンツに変えられる
・考え方・・「価値観の差」が利潤になる
・商品企画の罠:失敗は絶対にあるもの。
「外すこと」を避けようとして、結果として魅力のない商品を作ってしまう危険性が高まる
【HOW】
■速く決断し、速くはじめ、速く修正する
■高く得るためには?
・知識のアップデートは欠かせない
・現場の声を聞く習慣が欠かせない
・経営者は戦略を考えるだけではなく、社員一人人りの価値を見出していく
・より質の高い情報を集めて生かし切る
(質の高い情報=価値観の差、その発見につながる情報)
→高く売れる商品・サービスを開発すること
→情報から企画をはじめる
・・・顧客のニーズをつかみ、その不満や課題の解決に高い技術を注ぎ込む
・・・高く買ってくれる人のいる場所を思い浮かべ、企画を練る
■価値観の差で儲ける
・・・次に流行するだろうものにヤマを張る必要がある(勝ち目の大きい投資)
・・・自分が作れたり、安く買えたりする商品・サービスで、なおかつ顧客が高く買ってくれるものを見つける
・・・商品ありきではなく顧客の潜在的ニーズを客観的に見つけ出して、ウォンツにかえるストーリーを編み出し、「私が欲しかったのはこの商品だ」と言わせること
→日常を客観的に見ることで、顧客が明確に言語化できない、日常の平均値と違う何か=価値観の差を見つけ出す
■仕組み化3つの要素
1、再現性
誰がやっても同じ結果が出せるようにする
2、汎用性
他のお客様、他の業務、他の業種でも
3、継続性
意識しなくても努力しなくても同じ結果が出せるようになる
・・3つに集中してリソース投下
■ビジネスモデルの理解
誰に、どんな価値を提供するか
その価値をどのように提供するか
提供するに当たって必要な経営資源をいかなる誘因の元に集めるか
提供した価値に対してどのような収益モデルで対価を得るか
■異質な視点
女性や高齢者の視点:価値観の違う人に意見を加える
■現場でしか得られない情報を武器にする
・・高い価値→売れなかった商品、想定外のお客様が想定外の使い方をしている情報
■新しいオフィスの機能
オフィスは企画の場:利益の源泉「何を作るか」「何を伝えるか」というアイデアを生む
より楽しい環境の創造:楽しく働くことと高く売れる商品・サービスは必ずセットで
■文化を知る
現場を見る目がかわり、インプットの質が劇的に変わる
文化に触れ、主観を磨く:文化に対する知識や理解がないひとは、せっかく現場に足繁く通っても視界に入っているヒントに気づけす、質の高い情報を取れない
文化は「人が接触する」からこそ生まれる
文化の差を理解すれば、価値観の差でビジネスができる
*主観・・
・自分の経験、体験や学習によって培われた価値観から判断できるからこそ、データのサンプルが少ない状態でも、素早く決断することができる
・主観を磨くためには、さまざまな文化に触れること、人と会話すること
・同じ体験をした人と、その体験の中身、受け取りかたの違いを共有することで、より多くの発見が得られる
・インターネットの進歩により、画像や動画のようなより情報量の多いメディアに触れられるようになったが実体験との差は埋められない
■普通のレベルを知る
普通が見えない状態で、価値観の差を見つけるのは難しい
幅広い文化に触れつつ、それぞれの文化の普通を把握すること
できるだけその場に足を運び、人とふれあい、対話する
人が集まる場所を把握する
【WHAT IF】
・必要以上に最適化せず常に余裕を持っておくことが大事
■アイリス・オーヤマ
工場の稼働率を100%にせず、7割にしている(3割は遊ばせる)
作りたい商品ができた時、その生産をすぐに始められる体制を整備
さまざまな商品を迅速にリリースして成功を収めている
■セブンイレブン
いかに高く売るか
安売りではなく高い値段で売れる方法の実現
ツールは「情報」POSレジ:
その店の利用者にどんな傾向があり、どんな商品がこのまれ、必要とされているのか徹底的に分析した上で、仮説をたてては発注、結果を検証して、仮説の精度を上げていく(利益の最大化)
■テスラ
テスト販売の重要性
市場規模の小さなスポーツカーで、「テスラは効果だけれど、先進的でかっこいいイメージ」を消費者に心の中にしっかりと作ってから、より販売量が見込めるモデルを発売
【響いたメッセージ】
・失敗を避けると平凡になる
・コスト削減と最適化に未来はない
・付加価値ではなく高価値
・・あったら嬉しいというレベルではなく、顧客が真に認め、欲する価値
・・価値を最大化したら、他は捨てて良い
・・付加ではなく、削る捨てる。既存の顧客の一部を捨てることもあるかもしれない
・大量販売による売り上げの最大化ではなく、粗利の最大化
・経営者が未来をどのように予測しているかで変わる
・仕事は苦しいものと思っているから日本全体の幸福度は低い
・主観は人間だけが持つ強み
・高く売る苦労をするべき!
・「あったらいいかも」ではなく真の価値
・最低でも3倍、努力して10倍の価値を生み出せ!
・高い値段でも買ってくれる人は、確実にいる
・・値引きせずとも買ってくれる人は確実に存在している
・会社に絶対的な優位性がない場合は、大前提として他社でも思いつく可能性が高い。確度を高めようと、大切に企画をねったり、じっくりマーケティングしていては、あっという間に追い越されてしまう。
すぐに始めることが何よりも大事
・・戦略を帰るなら、その戦略で素早く動ける組織に変化させることも重要
・資本主義社会では、価値観の差が利潤になるーヨーゼフ・シューペンター(イノベーションという概念を初めて提唱)
・現場に情報を取りに行くという行動自体を削減してはいけない
・優れた企画の出発点は現場
・社員の思考に影響を与えている要素
・・情報を覚えていることに意味はない
・重要なのは、ただ覚えるのではなく、原理原則を理解すること。そして、覚えた知識の先を考える習慣、考える力
・情報は深掘りしなければ、真の価値に到達できない
・非人間的な働き方で成り立つような「質」」は弱い
・社員一人一人の価値が「会社の価値」になる
・売りやすくて、粗利が高くて、元でがかからない商売は、すぐに大儲けできるが、他社がすぐ参入する
・プラスを伸ばし、マイナスを減らす
・9割の失敗を許容できるマネジメントを
【アクション】
現場に足を運び、価値観の差を10個書き出す
マーケットの文化を把握する