Day258:『上流思考』ー「問題が起こる前」に解決する新しい問題解決の思考法
【本について】
タイトル:上流思考
著者:ダン・ヒース 出版社:ダイヤモンド社
Q.上流思考って何?
A.問題が起こる前に解決する思考法。予防、根本、根絶、後手ではなく先手。システム全体をみて解決をはかる思考
【WHY】なぜ、「上流思考」が必要か
人は、目の前のことに反応してしまう。そのために無駄な作業を増やしてしまう。(事後対処)取り組みが「下流」に偏ると、問題はいつまでたっても消えない。
【WHAT】上流思考とは
上流思考とは、「予防」「事前対応」のこと。
攻撃的行動を予防するのに最適な時期は、こどもがまだ母親の胎内にいるときだ。(心理学者で児童発達専門家リチャード・ランブレー)
下流活動が焦点がはっきりしていて、迅速で、具体的なのに比べ、上流活動は多面的でゆっくりしていて、つかみどころがない。それでも、うまくいく時は本当にうまくいき、莫大で長期的な効果を実現できる。
ー下流思考VS上流思考ー
空き巣を防止するために、警報装置を使うべきか?(下流)
未来の「犯罪者」の母親に気を配るべきなのか?(上流)
ー上流思考を阻む3つの障害ー
■トンネリング(視野狭窄)
「目の前の問題」しか見えなくなる
■当事者意識の欠如
自分で解決できるのに、気づかない。
「当事者意識」を持ってその活動をすると決めなければ、いつまで経っても解決しない。
■問題盲
「そういうものだから、仕方ない」と誰も疑問を持たない。
見えないものは、解決できない。問題が見えないせいで、大きな害が及そうな時でさえ、どうしようもないと諦めてしまう。
【WHAT IF】
■エクスペディアの取り組み
問題
一体、なぜこんなに多くの顧客が電話をかけてくるのか?
理由の第一位は、「旅行の日程が欲しい」だった。
2012年間1年間で、顧客は日程表をもらうために、約2000万回も電話をかけてきた。サポートのコストを1通話あたり約5ドルとすると、「1億ドル」かかったことになる。
なぜ顧客はオンラインで自動的に日程表を受け取れなかったのか?
なぜ、エクスペディアは、問い合わせが700万件になった時点で、アラートが働かなかったのか?
エクスぺディアの経営陣は、問題を見過ごしていたわけではなかった。問題は、問い合わせ件数の多さに気づいていながら、気づきを組織的に無視をするようにできていたことだった。
エクスペディアは、多くの部門にわかれ、それぞれが異なる目的を持っていたため、顧客が問い合わせをせずに済むことを目指す部門がなかった。
問題に関与する人は大勢いたけれど、「問い合わせの件数を減らす」という問題に、当事者意識を持って取り組んだチームは1チームもいなかった。
■アメリカとノルウェーの取り組み(優先順位)
ノルウェーは上流と下流の医療支出の合計がGDPに占める割合がアメリカに近い。
支出の優先順位は、下流に1ドル費やすごとに上流に約2ドル50セント費やしている。一方で、アメリカは下流に力を入れている。
この結果、ノルウェーの妊婦は、出産前法華指導に一銭も払う必要がない。
死亡率の低さでは、アメリカ29位に対し、ノルウェーは世界第5位。
【HOW】上流リーダーになるためには?
■「危険因子」を減らし「防御因子」を増やす
薬物乱用を防ぐには?
(NG例)「ダメ、ゼッタイ」式のアプローチ
全体像を視野に入れていないのでNG
(OK例)充実した時間を過ごさせる
(例)スポーツや課外活動に参加させる
行儀良く過ごす時間が増えれば、行儀が悪い時間が必然的に減る
■「子供の目」で水を見る
環境を少し変えれば、問題を解決できることがある。
あるファストフード店では、食事を載せるプラスチックのトレーをゴミ箱に捨ててしまう客が多かった。そこで、店はゴミはこの投入口を小さく丸い穴に変えてトレーが入らないようにした。
■改善を強いるシステムを作る
迅速なフィードバックが得られる仕組みを用意する。
例えば、社内会議。
【響いたメッセージ】
行動は慎重に、結果は気長に。
1つの予防は、100の治療に勝る。
設計を間違えるから問題も間違える。
問題を解決できる最適な立場にいるのは誰か?
【学び】
問題解決は上流から手を付ける。
【アクション】
自分に何ができるだろうか?
目の前の課題な取り組むべき課題か?
問題に対して2つの問いを使っていく。