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【今日の読書旅✈️】


一本のタイトル一
「レジリエンス」の鍛え方
久世浩司 著 実業之日本社 2014年

【レジリエンスとは】

・失敗を成長の糧にして成功に導く力
・成果を上げ続けるために必要な力(復元力)
・失敗することへの恐れや心配や苦手意識を消し、一歩前に踏み出す力のこと
世界のエリートがIQや学歴より重視している
心理的なたくましさがあるビジネスエリートは、継続的に成果を上げ、社内外での競争に生き残り、長いキャリアで成功を収めることができる。行動回避癖がある人、失敗への恐れが強い人におすすめ!


【なぜ、著者はレジリエンスが大事だと思ったの?】

16年間P&G勤務。P&Gは、ビジネスエリートを多く輩出している。一般的企業では、IQや学歴は高くても厳しいサバイバルに生き残れない人がいる。


【P&Gには活躍する人材が生まれる3つの理由】

①世界で最も優秀な人材を採用する「入口」

②質の高い原石のような若者が徹底的に磨かれてビジネスエリートに育ち、「出口」から卒業する仕組みがある

③若いうちから大きな仕事を任せて育てるやり方
ビジネススクールの「学習」だけでは優秀な人材は育たない。
持続的に成果を上げ続けるたくましいエリートと、キャリアのどこかで挫折してしまう脆いエリートの違いは「レジリエンス」にある。


【なぜ、わたしたちは今、”レジリエンス”が必要か?】

①心の健康


ストレス社会でや多忙で精神が疲労している人が増えている。特にうつ状態は社会問題となっており、職場でのうつ病は深刻。

②グローバル化のスピード


多くの企業で変化対応力が求められて、海外から日本を訪れて働く人が年々増えている。グローバル化が進めば、変化にオープンになり、多様性に柔軟に対応し、国籍を超えて活躍できる人材がますます必要とされる。

③どう働くべきか迷っている人が増えている


周りに働き方のロールモデルがいない現状。合理的に物事を考え、しなやかに困難に対応し、その度に成長する。レジリエンスを体現している人が周りにいない。

(本書では、松下幸之助さん、樋口廣太郎さん、スティーブ・ジョブス・大前研一さんが紹介されている)



【”レジリエンス”はどうやって鍛えるの?】


逆境力(レジリエンス)を高めるには7つの科学的方法がある
その前に大きくレジリエンスには3つのステージがる。(全体像)

ステージ1:ネガティブ感情に対処する
ステージ2:レジリエンスマッスルを鍛える
ステージ3:逆境体験を教訓化する
*這い上がるためには、「筋力」が欠かせない


【7つの科学的方法】


◆ステージ1:ネガティブ感情に対処する
①ネガティブ感情の悪循環から脱出する
②役に立たない思い込みを手懐ける

◆ステージ2:レジリエンスマッスルを鍛える
③やればできるという自信を科学的に身に付ける
④自分の強みを活かす
⑤こころの支えとなるサポーターをつくる
⑥感謝のポジティブ感情を鍛える

◆ステージ3:逆境体験を教訓化する
⑦痛い経験から意味を学ぶ


【TIPS】


・ポジティブシンキングとは異なる

異なる点:現実を直視し、しなやかに柔軟に捉え、合理的思考で対処=地に足をついた態度


・失敗したときのネガティブ感情

私たちは大きな失敗に直面すると、パニックになり思考停止になりがち


・学習性無力感

→コントロールできないことに直面し続けると「あきらめること」を学習してアクションを起こさなくなる


・価値ある失敗

「知的失敗」は歓迎すべき。アイデアや設計がうまくいくことを証明するための実験や革新的な知識の可能性を探るための実験において望ましくない結果になった時に「知的な失敗だったね」と称賛の意味も込めて使う


・失敗との付き合い方

失敗には3種類ある。全ての失敗に対して自責の念を感じるのはあまりにも現実的でしなやかな考え方ではない


【レジリエンスにまつわるエピソード(松下幸之助)】

ー危機を乗り越えた後の繁栄ー
60代半ばになり、社長の座を用紙の松下正治さんに譲って経営の第一線を退いてからすぐにPHP研究所の活動に本腰を入れるようになった松下幸之助さん。若い研究所員と京都の別邸で人間の本質について議論し、自ら多くの書籍を著作した。

「道をひらく」は450万部を超える超ベストセラーだ。「危機」という文字には「危ない」と「機」の両方が含まれている。これは「クライシスは大きな飛躍のチャンスでもある」という意味を表す。一見不幸に思えるような出来事(黒色)の中にも、成功の種(白点)が隠されている。(太極図)



【アクション】

本書の中に、レジリエンストレーニング法として「本人の逆境体験を物語化する」手法が紹介されている。物語心理学の研究では、人は人生の経験を「物語」として構築すると考えられている。


同じ出来事でも、どう物語化されるかは人によって異なり、それが人々の人生経験の解釈に違いをもたらす。辛い体験をしたとき、その記憶が必ずしも事実に基づいているとは限らない。私たちの深層心理には、「思い込み」が存在し、出来事の認定を歪ませることもあるからだ。


レジリエンスでは、事実を歪んで認識するのではなく、できるだけ正確に把握し、合理的にしなやかに解釈する柔軟な心が重要になる。体験した出来事をどのように自分に物語るかが、経験の解釈に影響するため、ストーリーを語る場を設けることで、主観的な意味づけを理解することができるという。身近な体験でレジリエンスストーリーを語ってみようと思う。


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