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読書感想 秋吉理香子「息子のボーイフレンド」

今回読んだのは、秋吉理香子「息子のボーイフレンド」

専業主婦の杉山莉緒は、高校2年生の息子・聖将からカミングアウトされ、激しく動揺する。しぶしぶ交際相手を自宅に招いたところ、一流大学に通う藤本雄哉は非の打ち所がない好青年。

母親を早くに亡くし、家事はもちろん、祖母の介護までする苦学生で、何よりイケメンだった! ひとまず二人の交際を認めた莉緒だが、心中は複雑だし、夫・稲男にもなかなか切り出せない。

はたして空回りする母は家庭の平穏を取り戻すことができるのか? たっぷり笑えて、しみじみ考えさせられるBLホームコメディ。

Amazonの商品紹介ページより

「息子のボーイフレンド」は、BL(ボーイズラブ)の話が主の短編集だ。専業主婦の莉緒は、息子 聖将からカミングアウトされる。相手は、一流大学に通う大学生 雄哉。それでもカミングアウトを受けたからには暗い話へ持っていかれると思いきや、実は莉緒は昔BL好きだった。それも創作をするほど。

タイトルは、「莉緒」「聖将」「優美」「稲男」「雄哉」「解説 吉田伸子」

作中、聖将と雄哉で妄想する母親も描かれていて、描写がリアルで思わず読みながら笑ってしまった。
聖将と雄哉が付き合うまでの話もあり、莉緒の友達の優美、莉緒の夫の稲男
雄哉の祖母など様々な人の物語もある。
息子のカミングアウトを中々受け入れられない稲男、母親を早くに亡くし、祖母の介護をする雄哉。

誰にも祝福されない関係だと思っていた。ずっと日陰に隠れていなければならないと。
けれどもここに、確かに味方がいる。これから先、心が折れるような苦難にぶつかってもこの人たちがいてくれるだけでなんと心強いことだろう。
ああ、そうか、俺たちは日陰にいるんじゃない。木陰にいるんだ。

息子のボーイフレンドより

これはハッピーエンドではなくて。ひとつの通過点に過ぎなくて。
けれども驚くほどの輝きと奇蹟に満ちた瞬間なんだ。

息子のボーイフレンドより

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