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読書感想 秋吉理香子「婚活中毒」
今回読んだのは、秋吉理香子「婚活中毒」
この人となら―と思った瞬間、
あなたは既に騙されている!
人生はどんでん返しの連続だ――
幸福を願うすべての人へ贈る
衝撃のミステリー!!
運命の出会いはいのちがけだった――
沙織が地元の結婚相談所で紹介された男・杉下はハンサムで真面目、収入も十分だ。しかし、相談所に入会して三年たっても結婚相手がみつからないという。何か裏があると感じた沙織は、これまで杉下が紹介された女性たちに会いに行くが、驚愕の事実が……(「理想の男」)。婚活をめぐり、運命のどんでん返しが待ち受ける、サプライズ満載ミステリー!
「婚活中毒」は婚活をテーマにしたイヤミス短編集だ。結婚相談所、街コン、理系女子による分析的な婚活、代理婚活など多様な視点から描かれた4つの物語で構成され、結婚にまつわる執着や狂気を描いている作品だ。
タイトルは、「理想の男」「婚活マニュアル」「リケジョの婚活」「代理婚活」
「理想の男」ミステリー要素もあるお話。リアルも混ぜながらヒヤヒヤした部分もあったが、最後読んで、想像通りの展開だなと思った。女の執念がより濃く書かれていた。
「婚活マニュアル」主人公の男性が、友人の孤独死をきっかけに結婚願望が強まり、「BBQコンパ」に参加する。そこで美しい上原愛奈と地味な田淵靖子に出会う。
主人公が女性とデートに行った場所が、高級ブランドのお店で、女性が主人公にブランド物をねだるシーンはリアルな描写だ。
「リケジョの婚活」リケジョの婚活というタイトル通り、男性に好かれそうな会話や行動を予測し、頭に叩き込んで婚活に挑む女性のお話。
「代理婚活」仕事に忙しい子どもに代わり親が婚活を行う。そんな「代理婚活」というサービス。息子の代理として婚活パーティに参加する。そこで、まさかの相手の母親である女性に惹かれる息子の父親。そこには罠があろうとも知らずに…
私は初めて、秋吉理香子さんの小説を読んだ。同じ著者が書いた「息子のボーイフレンド」は、あらすじを読んでいて気になったので、また読んで感想を書きたいと思う。