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記事一覧
2024年6月23日、重なる日
梅雨明けした2024年6月23日の那覇空港は
梅雨明け間近の1945年6月23日の防空壕は
米兵から身を潜める人で埋めつくされている
観光旅行の帰路につく人であふれている
あー、いつもと変わらない日曜日だ
あー、今日も何とか生きのびた
両手で握らされた1つの手榴弾を見つめる女の子たち
両手いっぱいのお土産が重そうな女の子たち
ゴルフバックを担いで談笑する兄さんたち
鉄砲を抱えて息をひそめる
【創作部】5.詩*77年目
私の生まれる33年前の今日
沖縄の歴史は変わった
砲弾の音はなりやんだ
白黒の世界は終わった
私が生まれて44年後の今日
沖縄は変われているか
波の音が静かに響く
色彩豊かな花が咲く
フェンスの向こうに
2022年6月23日 慰霊の日によせて
【創作部】4.私小説風エッセイ*かわいくなりたい
さとみちゃん3才、道を歩けば誰もが近寄ってきて、「お人形さんみたいねー」と声をかけられる女の子です。大きなおめめに、長いまつげ、お鼻はちょっと低めだけど、栗色のふわっふわでほどよくカールがかかった腰まである髪の毛は、フランス人形のような愛らしさです。
夏も終わりかけのある日の日曜日、従兄弟のナミコねーねーがお届けもののお使いでさとみちゃん家にやってきました。さとみちゃんとは7つ違いのお姉さんで
【創作部】0.短歌と物語*観覧車回れよ回れ思い出は君には一日我には一生
「思い出」というものは残酷であればあるほど、鮮烈に、強烈に、人の心に残るものらしい。
結婚した今でも忘れられないのはミヤタ先輩だ。社会人になって10年目で最初に転職した会社で出会った元婚約者。旦那には後ろめたく思うこともあるけれど、やっぱりミヤタ先輩は私にとっては特別なのだ。ミヤタ先輩の浮気相手が妊娠しなければ、間違いなく結婚していた。だって、ミヤタ先輩の浮気騒動は私たちが婚約して、結婚式(と
【創作部】1.詩*慰霊の日によせて
76年前のあの日はどんどん遠くなる
遠くなればなるほどに、
戦闘機が飛び交っていたあの日の空に近づいてはいないだろうか
遠くなればなるほどに、
戦地に行く友と別れたあの日の夕刻に近づいてはいないだろうか
遠くなればなるほどに、
ガマで幾日も身を潜め続けたあの日の息苦しさに近づいてはいないだろうか
76年後のこの日と重なる世に向ける
鎮魂の祈りは、
晴れわたる青空を見上げられるこの日のために
鎮魂
【創作部】3.詩*真実
殺戮ゲームの愚かさは
殺したのは私だったかもしれないこと
殺されたのは私だったかもしれないこと
惨殺劇の悲しさは
殺したのはあなただったかもしれないこと
殺されたのはあなただったかもしれないこと
私の宿命はカードの表と裏のごとく
あなたの運命は紙一重のごとく
海は青いということだけが真実
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佐喜眞美術館
地元の宜野湾市にある美術館。
普天間基地も近く、ここにあることの意味は大きい。