父親の反応と運命の出逢い(第15話)
SNSで大反響だった実話
「小5と余命宣告」続編(第15話)です。
父ひとり、子ひとりの家庭で育った娘が
小5の時に、その父の余命宣告を受け
その後の覚悟と成長を描いた実話。
脚色は一切なし。
むしろ、各方面に配慮し
わざわざ抑えて書いているくらいです(笑)
ということで、
これは長~く続く連載ものです。
初めての方は、1話からどうぞ。
超レアキャラの母親 から
(前回初登場)
舞い込んできた
就労ビザが取れない
イラン人との偽装結婚話。
中学生にとったら
200万円はかなりの大金だ。
良い話なのか
悪い話なのか
判断がつかない。。。
判断がつかないのは
世の中の常識とか法律とか
そういった社会的な側面から
考えられないから ではない。
フツーに考えたら
そんなの、良い話なわけがない。
んなもん、
わかっとるっつーの!
常識とか義務とか
そんなの全部フルシカトしてでも
これから生きていくためには
金が必要なんだよ!
重要なのは、
自分にとって
良い話 なのか
悪い話 なのか
考えるのは
それだけで、いい。
でも、その判断は
やってみないとつけられない。
ま、何かあったら
さっさと離婚すればいいんだろうな。
そんな安直な考えしか
思い浮かばない
でも
行動だけは速い。
家に帰って
すぐ父親にその話を伝えた。
彼は、私が想像すらしなかった
予想外の反応を見せた。
「何を考えてるんだっ!!あの女はーー!!
そんなもん、いいって言う訳ないだろっ!
それでも母親かっ!!!」
すっごい怒っとる・・・
そのまま、母親に電話を掛けて
怒りをぶつけて
怒鳴りまくっていた。
その様子を見ながら
私は、正直驚いた。
なんか、この人
まともなこと言ってる。。。
こんなに常識的な考えがあったのか。
と同時に、
少しだけ嬉しかった。
少しは大事に想ってくれてたんだなぁ
って。
今、改めて振り返ると
当たり前だよね。。。
50才で、初めて
待ち望んだ娘を授かって
男手1つで孫のように可愛がりながら
育ててきたのに、
お金のために外国人と偽装結婚って。
ねぇ?
彼が怒るのも無理はない。
「もう、あんなろくでもない
女のところなんて
行かなくていいっ!!」
その怒りは、しばらく続いた。
と言われても、
そうはいかないよね。
なんせ私は
サラブレットなのだから…
(第14話参照)
あそこには
人参(イイ話)がいっぱい
ぶら下がってるんだからさ。
父親の激怒っぷりのおかげ(せい?)で
イラン人との偽装結婚ばなしは
サラッと流れていってしまった。
とりあえず、
地道にアルバイトを頑張るしかない。
高校生の先輩、
仲良しのリカちゃんと
おしゃべりしながら仕事するのが楽しい♪
(よく怒られるけどw)
「高校生」って設定だったけど
やっぱり会話してると、
ボロが出ちゃうんだよね。
受験だってしたことないし
近隣の高校の名前すらわからない。
勉強の内容だって...
高校生と中学生では
話題が違い過ぎる。
ごまかしきれないなぁ。。。
って思った時点で
「ホントは中学生なんだ。」
「でも内緒にしてね!」
って、あっさり告白。
(社長、ごめん!w)
でも、年下だとわかってから
リカちゃんは、それまで以上に
優しく接してくれた。
私が自分の秘密を暴露したことで
リカちゃんも、秘密を教えてくれた。
「私、実は、、、
〇〇くん(調理師)と付き合ってるの💗」
えーーーー?!
うそーーー?!
キャーー ー!!💗
中高生らしい
黄色い声で女子トークが盛り上がる♬
それ以降、
その2人が接触するたびに
ニヤニヤしながら
観察するようになって。。。(笑)
時給650円の飲食店の洗い場
仕事内容は地味なものだったけど
リカちゃんがいてくれたおかげで
どんどん楽しくなっていった。
一方で
「それだけじゃ、一人で暮らしていけない!」
という危機感もあった。
もっと効率よく稼げる場所!
おいしい?人参を持っているのが
超レアキャラの母親。
彼女は、スナックをやっている。
そこでの皿洗いや、
開店前の掃除、
大量にある
カラオケのレーザーディスクを
音が飛ばないように、
1枚1枚丁寧に拭き上げたり…
と、色々やらせてもらうことで
結構な金額をくれた。
わたしは
「労働報酬」をよく理解していた。
良くも悪くも…
何もしないで、
もらうことを望まない。
逆に、タダ働きもしない。
でも、子どもながらに、
自分の働きに対して
その対価が高いことも
ちゃんと感じていた。
多分、
母の気持ち(お小遣い)も
含まれてたのだと思う。
彼女は、
本当にムチャクチャな人だけど
優しくてとても人間らしい人。
つい、こないだも
「お店の女の子が赤ちゃん産んだのよ。
男はさっさと逃げちゃったから
赤ちゃんが可哀そうでしょ?
私が引き取って育ててあげようと思って。」
はぁ??何言ってんだ?
犬や猫じゃないんだから!
と身近な人(彼氏)を、
怒らせていたらしい。。。
考えが浅いだけで、
人が悪いという訳ではないのだ。
だからお店が成り立つ?のかもしれない。
そして、その店で
運命の出逢いをする。
私と同じように、
たまにその店に働きに来ていた
1コ上の「K子ちゃん」
(当時、15才)
彼女も、やはり同じような境遇。
いや、
私なんかよりも
もっと頑張っている人だった。
母子家庭で、
その母親が、ウチと同様に
安心できないカンジ。
彼女には、弟がいた。
その母の面倒はもちろん、
小学生の弟を面倒見ていたのは
彼女だった。
私自身、自分を悲観することなく
常に前を向いて進んでこれたのは
間違いなく、彼女の存在が大きい。
後に、彼女は
国が指定するほどの難病に
悩まされながらも
その弟を高校まで進学させ
更に、
その母親をも看取る偉業を
20代前半で成し遂げることになる。
彼女に比べたら
私なんてお気楽なものだ。
自分一人のことだけ
考えていればいいんだもん。
改めて考えたら、
こんな風に
言葉にして伝えたこと、
一度もないかもね。
いつもすごいと思っていた。
偉いなぁって尊敬していたよ。
あなたが近くで頑張っている。
それを見せてくれただけで、
励みになり、勇気づけられたよ。
あなたが居てくれただけで
助けられてきた。
私の結婚式の二次会で
すぐ目の前で、私より泣くから
私の涙が引っ込んじゃったことも含めて
ありがとう...