映画鑑賞#02 「首」
世界の北野映画を鑑賞してきました。実は初めて見ました。
今年最後の映画作品になるかもな〜と思いながら、鑑賞してみると、かなり見応えがあり、賞を意識した作品なのだと実感しました。
昔、付き合っていた人に「北野武は全てを計算し尽くした監督だ!」と熱弁されたことがありました。私はパンピーなので、「へぇ」という程度にしか意識していませんでしたが、実際に見てみると、百聞は一見にしかずとはまさしく、といった作品でした。内容はかなりグロテスクなので表現が正しいか悩みますが、映像の美しさと臨場感は見事でした。
私は推しの俳優が出演しているので、大河ドラマ「どうする?!家康」も毎週欠かさず見ていますが、臨場感を比較してしまうと、別格だったと思います。戦地は人と人がぶつかったり殴り合ったりしながら、一人一人が血を流してそれが群衆で描かれて初めて「臨場感」と言えるんだ、と納得しました。勿論、時代が進んで、ハイクオリティなCGを使った作品を否定するつもりはありませんし、それはそれで「見事だなぁ」とは思うのですが、ただ一人の武将がアップになった時に「実際にチャンバラしてる」のと「CGで模してる」のでは明らかに観客側の感じるものが違うんですよね。
とにかく痛そう・・・なシーンが多いので、苦手な方にはオススメはできないのですが。
キャスティングは西島秀俊さんの明智光秀は相当なハマり役だなーと思ってましたが好演だったと思います。映画を観るまでは「博識があり融通が効かなさそう」なところが合ってると思っていました(失礼な言い方だったら、ごめんなさい。)。謀反って別に天下に憧れてるっていうより、必要に迫られてとか、正しさを証明したいみたいな感覚なのかなって思ってたけど、あっさりとやっぱ天下が欲しいぜ!的な顔が出てきたのも、意外ながら面白いなーと思ったかもです。
「偉人のオーラ」に潜めた「狂人」を描く、とありますが、正直、「狂人」でなければ人を何人も斬れないよねって思うし、史実通りではないようですが、確かにこんな感じかも(秀吉が相当な裏工作してるとか)なんて頷いてしまってました。
北野武ともなると、こんな難しい記事にも登場するので、鑑賞後も結構楽しめました。難しすぎるので、紹介だけ致します(笑)コントの要素は今作の目玉?のようです。私としては大好きな大森南朋さんと浅野忠信さんが武さんの傍を固めていたので、目の保養でした。