あまり好きではない言葉の話、
正直にいうと、「あまり好きではない」などと少し遠回しな表現をしていますが、苦手な言葉、ことわざがあるんです。
それは、「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざ。ふたつの目標を追うと、結局どちらも取り逃がしてしまうという意味。…わかる、わかります。一度にふたつの目標を掲げて頑張ったけれど、結局ふたつとも中途半端な結果になってしまうことって、けっこう多くの人が経験あるんじゃないでしょうか。
わたしにも実は、ふたつ欲しいものがあってどちらも追い求めた結果、ひとつは叶えられたけどひとつはだめだったという、「二兎追うものは一兎をも得ず」状態になる一歩手前の苦い経験があります。
高校生の頃、幼少期からずっとなりたかった医者になるために医学部の進学を目指していました。医学部は、特に国公立大学の難易度が高く、関東圏になるとその厳しさはより一層増すんです。わたしは地元が青森なのもあって、大学は都会で過ごしたいという思いをずっと持っていました。
「関東で大学生活を過ごすこと」と「国公立の医学部に入ること」の両方を絶対に叶えたかったんです。国公立大学でも、地方であれば入りやすさはぐっと変わるのに。その結果、関東で大学時代は過ごせたけど、医学部への進学は叶いませんでした。
さらにもうひとつ。完全に二兎追うものは一兎をも得ずの経験です…(欲張りなんですねぇ…)
大学卒業後の進路を決める際、ずっと医者しか目指してこなかったので、何を仕事にしたらいいのかまったく見当もつきませんでした。ただいろいろ考えた結果、起業したいという気持ちが芽生えたので、ひとまず一般企業で経験を積むため関東で過ごそうと思っていたのですが、当時お付き合いしていた恋人が地元新潟へのUターン就職が決まっていたんですね。
卒業後の結婚を視野に入れて「新潟についてきて欲しい」と言ってくれたので、関東での生活に後ろ髪を引かれながらも新潟へ移住しました。(結果的にお別れしたのですが……よければこちらも見てやってください。)
このときって、簡単に言うと、「自分のやりたいこと」と「好きな人、結婚」の両方を追い求めたら結果的に両方ともだめだったってことなんですよね。まさに「二兎追うものは一兎をも得ず」だった。
こういう経験をすると、戒めとして「ああ、やっぱりふたつ一気に欲しいものを求めてもだめなんだな」って思うのかもしれません。でも、どうしても何かを手に入れるためには何かを失わなければならないという価値観に共感できないのです。失敗したとしても。
だって、ふたつ欲しいものがあったなら、片方を諦めるんじゃなくて、ふたつ手に入れるために工夫をしたほうが面白いし、簡単じゃないからこそ両方手に入れられたときの達成感といったらないんじゃない?と思うから。
失敗はしたけれど結果的に、自分のやりたいことも、大切な人と過ごすことも諦めないために、フリーランスという働き方を実現するための原動力になりました。
失敗したら失敗したでそのとき考えたらいい。ただ、何かを犠牲にして何かを諦めるんじゃなくて、両方つかみ取ったる!ぐらいの勢いでいたら人生面白いんじゃないかなって。そう思うんです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?