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勝って兜の緒を締めよ

初めの敵に勝っても、次の敵がいつ現れるかわからない、兜の緒を締めて備えよ、ということで、物事に成功しても油断してはいけないという戒め。(日本)

その昔、
戦国時代と呼ばれる
激動の時代には、
武将たちが権力と
支配権をめぐって
絶えず争っていた。

1400年代後半の
応仁の乱の後、
日本は強大な
大名に率いられた
派閥に分裂。

大久保彦左衛門の
『三河物語』という本に、
こんな粋な言葉があります。

「いまだ敵は多し、味方は少なく候へば
『勝って兜の緒を締めよ』ということもあり」

また、北条氏綱が、
息子の氏康に書いた遺言
『五か条の訓戒(ごかじょうのくんかい)』
にもこの言葉が見られるそうです。

一、手際なる合戦にて夥敷勝利を得て後、驕の心出来し、敵を侮り、或は不行義なる事、必ある事也。可慎。散々[1]如斯候而、滅亡の家、古より多し。此心、万事にわたるそ。勝て甲の緒をしめよ、といふ事忘れ給ふへからす。

北条氏綱公御書置 - Wikisource

命を懸けた戦場では、勝利したかに見えた戦況が、
少しの気の緩みで、最後の最後にひっくり返されることが良くある。

という意味である。

fszalaiによるPixabayからの画像

ゲームやスポーツの世界では、
ほんのわずかな集中力の欠如が原因で、
勝利が突然敗北に変わることがあります。

実際に囲碁の世界では、
こんな格言がある

"物事がどう転ぶかは、手を打って下駄を履くまでわからない"

これは、人生そのものが
ゲームのようなものであり、
常に予測不可能であること。
人生とは油断大敵であり、
注意深く先を読むことを
促している戒めの言葉として
今に残る言葉です。

見出しの言葉は、上記アーカイブの映像の最後にも
坂田氏が取り上げています。
人生を戦ととらえ、真剣に向き合ったゆえの言葉です。


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