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交通系ICカードについての少し長いぼやき。

 僕は大阪に住んでいて、電車に乗る際の交通系ICカードは「ICOCA」と言う。

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 マスコットキャラクターは青色の目が細いペンギンで、調べるとカモノハシだった。名前は「イコちゃん」。

 広島から初めて大阪へ来た際、母と弟のお土産に僕はなぜか「イコちゃん」のシールを買った。
 今から考えても、なぜ「イコちゃん」なる広島では見かけたことのないキャラクターのシールだったのか分からない。
 実際、母と弟は見たことがない青色のカモノハシに対し、なんと言えばよいのか分からない顔をしていた。

 思い返せば、僕はお土産系のセンスが壊滅的だった。
 恋人に買っていったお土産で喜ばれた記憶が一切ない。絶対に引いてはいけないカードを常に引き続けているような感じだ。
 ある種の才能かも知れないが、本当に何の役にも立たない。

 職場の僕らの部署に新人さんが入ってきた。
 北海道出身の女の子で、彼氏と同棲するために大阪へ来たのだと、最初の自己紹介の時に言っていた。

「はー、北海道。遠いとこから来たんだねぇ」
 と同期の女の子が田舎のお婆ちゃんみたいなリアクションを取っていた。

 新人教育をするよう上から言われ、率先して教えているのが同期の女の子だった。面倒見が良い人なので任せて、僕は時々補足のようなことをする、という役割分担が自然と出来上がった。

 ある日、同期と新人さんが、きゃっきゃっと盛り上がっていた。なんとなく、入らないよう距離をとっていたけど、
「郷倉くんのとこは『じゃけー』だよね」
 と突然言われて、意味が分からなかった。

 話を聞くと、北海道の交通系ICカードは「Kitaca」と言い、白黒のモモンガがマスコットキャラクターなのだと言う(正確には、北海道に生息するエゾモモンガらしい)。

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「それでいくと、広島は『じゃけー』でしょ?」
 と言うのが同期の女の子の主張だった。

 舐められたものだ。
 広島ほどの都会で使う交通系ICカードが『じゃけー』な訳がなかろう。

 と弁明しようとして、広島で使われている交通系ICカードの名前を知らないことに気づき、調べた。
PASPY」という名前で、オフィシャルサイトっぽいところに行くと「パスピー」とカタカナでも表記されていた。
 うん、なかなお洒落。

 ただ、マスコットキャラクターはサングラスをかけたクマで、マントも羽織っている。見るからに怪しげだ。
 ネットで調べると、以下のようにでてきた。

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「ぼくの名前は、くまぴー。」 中国山地からこっそり降りてきたスパイのツキノワグマ。 PASPYのマントを羽織っていて、どんなところへも飛んで行きます。

 スパイで、マントを羽織っているのは、逆に目立つのでは?
 あと、サングラス外した方が可愛い。
 と思うけど、どうなんだろう?

 ちなみに、福岡市地下鉄で使える交通系ICカードは「はやかけん」で、名前の由来は「「速いから」という意味の博多弁「速かけん」にかけた名称」とのこと。

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 同期の女の子が言っていた『じゃけー』はないにしても、広島弁にかけた名称はあり得たのか、と思う。

 ちなみに、交通系ICカードのキャラクターの中で言うと、僕は「Kitaca」のエゾモモンガが好き。エゾモモンガって言うのが良いよね。

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