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悠揚迫らず

寝る前に、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』を読んでいたら、「悠揚ゆうようせまらず」ということばが出てきた。どういう意味だかわからなくて、私は本を置き、すぐに調べた。すると、ものごとが変化しても、ゆったりしているさま。という意味らしい。ほう。そうか。
そのときにかけていたドビュッシーの音楽とともに、私は、これは、優雅ゆうがだ。と、思った。
私は最近、優雅にハマっているから、これは、覚えておこうと思って、さっそくメモした。

なぜ優雅にハマっているかというと、毎日やらなければならないことが多すぎて、追いつめられているからだ。終わらせても、終わらせても次の課題がやってきて、終わらせる前にも、次の課題がやってきて、その積み重ねで、笑えるくらい時間がない。すべてがギリギリ。もう、心も体もボロボロだ。

だからこそ、優雅を心がけている。どんな状況でも、自分の心の中は、何を思おうが勝手かってだから。だからどんなにピンチの時も、優雅でいよう。だからこそ今こうして、ドビュッシーを聴きながら、『鏡の国のアリス』を読んでいたのだ。

その気持ちに、「悠揚迫らず」ということばが、ぴったり来た。
どうせいそいで終わらせたって、次の課題が待っているだけだ。それを一生、くり返すだけなのだ。それなら、ひとつひとつを丁寧に、楽しみながら、やっていこう。そうじゃないと、やってられない。もう、疲れた。

優雅に、生きましょう。