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池上の街に秋の到来を告げる「御会式」

毎年10月になると、夜になるにつれて近所から笛や鐘の音が響き、「もうすぐ御会式ですね」という挨拶が交わされるこの街。
引っ越してきて2年目、少しずつ私も地域の一員になったような気がしています。特に何か役割があるわけではなく、ただの観客にすぎませんが、この時期を心待ちにしている自分がいます。

御会式の準備が始まると「いよいよ感」

池上本門寺の「御会式」とは

池上本門寺で行われる御会式は、日蓮宗において最も重要な行事の一つです。
日蓮聖人の命日である10月13日を中心に法要が執り行われ、江戸時代から続く由緒ある伝統行事として知られています。
特に、命日の前夜である10月12日の「御逮夜(おたいや)」は、全国各地から檀家や信徒が集まり、百数十基の万灯が繰り出す「万灯練供養(まんとうねりくよう)」が行われ、池上徳持会館から本門寺までの約2キロを練り歩く光景は圧巻で多くの参拝者が訪れます。

1922年に池上電気鉄道(現在の東急池上線)が開業してからは、より多くの人々がこの行事に参加するようになったそうです。

御会式の期間中は池上本門寺周辺で交通規制が敷かれ、車両の通行ができなくなり、街全体が御会式一色に染まります。

華やかな万灯が池上の街を練り歩きます

万灯練供養の魅力

万灯練供養は日蓮聖人を敬い教えを伝える象徴的な行事です。
10月12日の夜18時から深夜まで行われ、街は幻想的な光景に包まれます。
提灯の明かりが夜空を照らし、笛や太鼓の音色が響き渡る様子は大変華やかで感動的。

行列には、3000人以上の参加者が加わり、纏(まとい)を振りながら進む姿を見ることができます。
池上本門寺の96段の石段を登り山門をくぐる瞬間の荘厳さは特に素晴らしく、この時期の街全体が特別な空気に包まれるような感覚があります。

纏を先頭に万灯行列が本門寺の山門をくぐる

おすすめの観覧スポット

見どころはやはり、池上徳持会館からの出発地点と本門寺に近づく終盤です。提灯がずらりと並び、進む行列の光が街を照らす様子は非常に華やかです。しかしお寺に近づくほど観客も多くなるため、人混みに揉まれないように早めに場所取りをすることをおすすめします。

毎年たくさんの方が参拝されます

屋台もたくさん

祭りと言えば、やはり屋台も楽しみの一つです。御会式の期間中、参道や本門寺周辺にはさまざまな屋台が並び、たこ焼きやお好み焼き、ベビーカステラなどの定番メニューから、牛肉串焼きやホルモン焼きといった食事まで楽しめます。
しかし、翌朝、道路に散らばるゴミを見ると少し悲しくなるのが正直なところ。
祭りの楽しさを損なわないためにも、マナーを守って楽しみたいものです。

今年の御会式を楽しみに

今年は土曜日ということもあり、例年に増して多くの人が訪れることが予想されます。
賑やかで盛大な雰囲気が楽しみですが、混雑の中でも安全に、そして無事に終わることを願っています。

私も今夜は、自宅の近くから人ごみを避けつつ、提灯の光に包まれた万灯練供養をのんびりと楽しもうと思っています。
この幻想的な光景が、また来年も同じように楽しめるよう願いながら。


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彩花サトコ
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