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『ドリトル先生アフリカへ行く』

ヒュー・ロフティングの児童文学『ドリトル先生アフリカへ行く』

ちょっと前に、山極寿一さんと鈴木俊貴さんの対談集『動物たちは何をしゃべっているのか?』を読んだら、あとがきか何かで山極さんが、『ドリトル先生アフリカゆき』を読んだことが、ゴリラ研究の道に進むきっかけになったようなことを書いていた。
そういえば、福岡伸一さんも同じようなことを言っていた気がする。

ドリトル先生は有名だけど、読んだことはなかった。
誰かの人生を決定づけるような本ってすごいなと思って、読んでみることに。

けど、この手の本は色んな出版社から出ていたり、翻訳も色々だから、どの本を読むかが悩みどころ。
100周年記念版というのを見つけたので、図書館で借りてきた。

人間相手のお医者さんだったドリトル先生のうちには、たくさんの動物がいるせいで患者が来なくなってしまって、いつも貧しい。
ネコのえさ売りやオウムのポリネシアに動物のお医者さんになることを勧められて断るも、ポリネシアから他の動物の言葉を教えてもらってしゃべれるようになったことで、動物のお医者さんをすることに。

ある日、アフリカのサルの間で病気が流行って次々死んでいるから、ドリトル先生に治しにきてほしいと言っていると、サルのチーチーが助けを求めにくる。
そんなこんなでアフリカへ。
動物たちに助けられながら、みんなで旅をして回るお話。

作者のヒュー・ロフティングは、戦場で軍馬が殺されるのを見て、動物と話ができるお医者さんの話を思いつき、戦場から子どもたちへの手紙に書いて送っていたそう。
その時の話と挿絵がもとになって、この本が生まれたんだとか。

この本が出版された後に生まれた子どものクリストファー・ロフティングが、差別的な言葉やエピソードを書き直してできたのが、この100周年記念版。
当時は差別と認識されていなくても、相手からすると差別だったり、今ではそう認識されているものもあって、アフリカでは何十年もこの本が読めなかったんだそう。

第2作の『ドリトル先生航海記』は、福岡伸一さんの翻訳本が出てるから、そっちを読んでみたい。

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