「あたりまえの分解展 紙と印刷のDIY」不参加レポート
主催メンバーの1人として関わったイベント「あたりまえの分解展 紙と印刷のDIY」が無事に終わりました。
3日間の開催でしたが、なかには100人近い方が来られた日もあったとのこと。大盛況だったようで感無量です。本当にありがとうございました!
…あれ?主催者の1人なのに、まるでその場にいなかったような書き方ですね。
そうなんです!その場にいられなかったのです…。
実は、退院したばかりで静養しなければならず、当日会場に行けなかったのでした。とほほ。
(静養のかいあって、今ではかなり回復しました)
一体どんな展示だったのか、メンバーがたくさん写真を撮ってくれていたので、少しご紹介したいと思います。
前代未聞!?イベントの不参加レポートです。
あたりまえの分解展 紙と印刷のDIYとは
今回のイベントのタイトルは「あたりまえの分解展 紙と印刷のDIY」。
実は、「あたりまえの分解展」というのはプロジェクト全体のテーマ、今回の展覧会タイトルが「紙と印刷のDIY」なんです。
世の中の‟あたりまえ”になっているモノを様々な切り口で分解して、新たな視点を届けたい。
そのプロジェクト第一弾として、ポストカードができるまでを分解し、完成までのプロセスを可視化する「紙と印刷DIY」という展覧会を企画しました。
ちなみに、グループ名はTEAM WAGIRIといいます。
我々の試みを「分解=日常を輪切りにして捉え直すチャレンジ」と考えており、輪切り=WAGIRIとしてグループ名にしました。
TEAM WAGIRIのメンバーは、建築家の黒田淳一さん(around)、グラフィックデザイナーの溝手真一郎さん(Mt.Graphics)、高木知佳さん(Mt.Graphics)、ふくだあいこさん、印刷工の鶴身知子さん、そしてライター・ペーパーアドバイザーのヤグチサトコ(このnoteの筆者)の6人です。
それぞれ違う分野で活動する個性豊かな面々が集まりました。
ちょっと前置きが長くなりましたが、ここからは会場風景をご紹介します!
会場風景①様々な紙もの
まずは世の中にはたくさんの紙でできた製品があるよ!ということで、書籍やステーショナリー、パッケージからトイレットペーパーまで、様々な紙ものを展示しました。
今回の展示のメインであるポストカードは、どーんとピックアップ。
会場風景②‟つくること”について
今回の展覧会のために、グラフィックデザイナーチームが3種類のポストカードをデザインしました!
完成までどのような思考プロセスを辿ったか?を展示しています。
来場した方からは「企画途中で起こりうる問題点などが記載されており、デザイナーの頭の中を覗かせてもらったようで勉強になった!」と嬉しい感想もいただきました。
ちなみにここは部屋の真ん中で壁がない!というわけで、天井から糸を吊り下げてキャプションを貼っていくスタイルに。
個人的にめちゃくちゃ可愛いと思っています(実際に見たかった…)。
会場風景③紙
写真の左側は、‟つくること”の部分でプロセスを展示したポストカードの完成品。
その隣は、ポストカードの素材である紙にスポットを当てたコーナーです。
一般的な紙(日常でよく見かける紙)であるグロスコート・マットコート・上質紙と、特殊紙と呼ばれる色や風合いに特徴のある紙を展示しました。
机には実際に紙を触ってもらえるようにサンプルを置いています。
私はこの紙コーナー部分を主に担当した…のですが、紙のチョイスが終わったところで緊急入院し戦線離脱。
残りは紙と印刷、インクを愛するデザイナー・ふくださんが引き継いでくださいました!
当日は紙を1枚1枚じっくりと見てくださる方も多かったとのことで、嬉しく思います。
ふくださんはデザイン業に加えて、紙もの雑貨スキカッテ(https://www.instagram.com/sukikatte_kamimono/)として可愛い紙雑貨も作られているので、ぜひスキカッテのインスタもチェックしてみてください~!
会場風景④印刷
会場である鶴身印刷所は元々、石版印刷の工場でした。
石版印刷とは、その名の通り石を版にした印刷技術で、今の主流であるオフセット印刷の前身とされています。
ここでは石版印刷のほか、リソグラフや活版印刷など様々な印刷技術で作られた印刷物を見ていただきました。
会場風景⑤ワークショップ
今回の展覧会の目的の1つが、クリエイティブを身近に感じてもらいたいということでした。
家具のように印刷もDIYできたらもっと日常が面白くなるんじゃないか。「つくる」ためのプロセスを知って、暮らしに「自分でつくってみる」を取り入れてほしい。
というわけで、ワークショップでは実際にポストカードを作っていただきました!
あらかじめ用意した中から好きな紙とインキの色を選んでもらい、1色印刷or2色印刷で最大3枚までポストカードを作ります。
紙やインキが変わるとポストカードの印象も変化することを、体感していただけたのではないでしょうか。
実は鶴身印刷所さんでは2色印刷のワークショップはやったことがなかったそうで、今回が初の試みだったんですよ。
本番に備えて何度もテストを行った鶴身さん、「印刷1000本ノックだ!」とおっしゃるくらい、頑張ってくださいました。
そのおかげで素敵なポストカードを作ってもらえたんじゃないかな、と思います。
さいごに
ノートを振り返ってみたら、最初の打ち合わせが2021年の8月でした。途中、当初予定していた会場が使えなくなるアクシデントもありましたが、無事に開催できたこと、多くのお客様に見ていただけたこと、本当に嬉しく思います。
最後に、今回の展示のために協力いただいたアイプリントさん、有限会社サンクラールさん、古賀印刷株式会社さん、POP PAPERさん、カンタとタケルさん、坂口拓さん、ありがとうございました!
また、一番大事な時期に離脱してしまった私に優しい言葉をかけてくださり、助けていただいたTEAM WAGIRIメンバーには本当に感謝です。
紙と印刷のDIYは終わりましたが、あたりまえの分解展は続いていきます。
次回は不参加レポートではなく参加レポートが書けますように…!
それまで日々精進したいと思います。