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酢が水になる⁈~酢酸発酵の行く末~

「手作りの柿酢を放置していて(非加熱)で瓶詰したら、その後にガスが発生して溢れた。酢酸発酵後にアルコール発酵するわけじゃないのに・・・???」と友人がSNSで投稿していた。

気になる…ウズウズ → 調べる。

調べてみたら、以前どこかで「酒は最終的に水になる」と聞いたことがあり、その謎の答えが見つけられたような気がしたので、忘れないうちにまとめておこうと思って。

発酵食品の発酵の流れ

そもそも、発酵食品における発酵には流れがあって、

乳酸発酵:乳酸菌が糖をエサにして乳酸を出す。(ヨーグルト、チーズ)
 ↓
アルコール発酵:酵母が糖をエサにしてアルコールとガスを出す。(お酒、パン)
 ↓
酢酸発酵:酢酸菌がアルコールをエサにして酢酸を出す。(酢)

お酢ができる酢酸発酵は発酵食品の流れの最終形態。

酢も腐る?!

「酢酸発酵以降は進まない」と思っていたから、「なんで流通させる際、酢も加熱殺菌する必要があるんだろう?」と思っていました

加熱前のお酢の中には酢酸菌が生きています。

酢酸菌による酢酸発酵は発酵が終了すると速やかに酢酸菌と酢を分離しないで放置しておくと、酢が腐る現象、所謂酢の過酸化が見られる。

KAKEN

酢は腐らない!と思っていたら、腐るんだねぇ。

これは、先日お伺いした福井の河原酢造さんも言ってました。過酸化すると、変な香りがしてくるそうです。

酢はそして、水になる…?

そして、今回の本題。使っていた酢が爆発した件。

爆発する=菌がガスを発生させている

「ガス発生=酵母」だと思っていたけれど、酢酸菌の中にもガスを発生させる菌がいるらしい。

上記の第3表に示した5種の菌株はいずれも酢酸を酸化して炭酸ガスと水に分解出来る菌株である。

酢酸菌とその利用に関する研究

つまり、酢を手づくりすると、これらの菌が入る可能性があり、

・耐圧の瓶もしくはペットボトルにしないと、ガスで瓶が爆発する危険性がある。
・これらの菌が入ると酢が水っぽくなり、おいしくなくなる。

ということ。
実際、爆発した柿酢の味を見た友人は、「酸度が落ちて水っぽくなっていた」と言っていたので、おそらく。

ただ、加熱殺菌せずにおいしくできたものもあるそうなので、菌が入るかどうかは、菌のみぞ知る。

いずれにせよ、
①炭酸飲料が入っている耐圧のペットボトルを使う。
②密閉しない。
③ (家庭では難しいけど)加熱殺菌する。

ことが、安全に作るためには必要ですね。

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