丸亀製麺の手作り体験教室に行ってきた
東京,立川にある,丸亀製麺手作り体験教室に行ってきた.予約制で,私が体験したのは,【全年齢対象】丸亀製麺体験教室 ~かき揚げ、いなり体験~で,大人一人あたり¥3,300で,事前のクレカ支払いであった.3時間コースとなっていて,体験教室にしては長時間である.
立川駅から徒歩20分ほどの場所にある.通常店舗と併設していて,体験教室のほうにも大きな看板がある.16:30スタートの回にあわせて16:10頃到着した.
入口で靴を下駄箱にしまい,あらかじめ決められた席に案内される.席にはうどんをこねるためのお盆が用意されている.お盆はすべての机に用意されている,満席の盛況だった.大人同士で来ている人もいれば,小さな子供連れの家族もいた.
スタートの時刻になり,教室の校長先生からご挨拶があった.とても親しみやすい口調でこれからの工程を説明してくれた.校長先生からは,「一部大人の方でも大変な工程がありますが全力でサポートしますので一緒に頑張りましょう」とのコメントがあった.正直面食らった.もっと簡単なものだろうと思っていたからだ.
まず,うどんは何で出来ているかのクイズがあった.答えは小麦粉,塩,水の3つ.小さなお子さんたちが勢いよく答えていて,そんな勢いを身につけたいと思いつつ,微笑ましく見守る.お話によれば,塩と水は十分に混ざり合っている必要があるようで,結晶のような塊などがあるとムラの原因になるようだ.このコースではあらかじめ整った塩水が用意されていた.
お盆の下に人数分の小麦粉が用意されていた.小麦粉をお盆に移し,ダマをつぶしていく.次に水を加えてこねていき,手のグーサイズの塊を作る.グーサイズの塊をあわせて大きな一つの塊にする.この塊を袋に入れて少し休ませる.
次に,この生地を踏んで,生地を鍛えていく.ひたすら踏む.ただ踏むだけでは大変なので,ポップになるように「足踏みダンス」がある.踏むときに歌って踊ろうというわけだ.だが,大人にとっては大分恥ずかしい.しかし,そんな心配もご無用,教室の窓は閉め切ってあり,先生たちが踊りを教えてくれる.簡単な踊りで,練習もある.とても楽しい時間だったので,ぜひ現地で体験してみてほしい.踊ってるうちに,ノッてくるはずだ.
うどん作りの工程では,生地を鍛えることと,休ませることが重要だそうだ.鍛えるというのはここでいう踏むことだ.休ませるとは文字通り,何もせずに時間をおくことだ.うどん作りに関する説明を聞きながら,次はかき揚げとおいなりさんの話に移っていく.
丸亀製麺のかき揚げは4種類のお野菜が使われているということで,クイズがあった.タマネギ,サツマイモ,にんじん,ネギ(小さなお子さんたちはぜひ勢いよく応えてほしい!).教室では限定で,朝採れ野菜の小松菜と茄子があった.なんと,チームごとにどのお野菜をかき揚げにするか,選ばせてくれるらしい.我々のチームは,4種類のお野菜をとりつつ,サツマイモ多め,茄子多めでトライしてみた.
休ませていたうどんを,今度は伸ばしていく.これが一番難しかった.最初は手で伸ばしてくが,弾力があり伸びない.弾力があるのは,「鍛えた」証拠らしい.麺棒で伸ばしていく.基準となる割り箸が与えられる.この割り箸の厚さよりも薄くなるにするとのこと.ひたすら薄くしていくが,この過程が一番の見所だと思うので,ぜひ体験してほしい.
その後,生地を切っていく.うどんを切るための包丁が提供され,各自刻んでいく.ゆでることによってボリュームは大きくなるため,食べるときのサイズより小さめに刻んだほうが良いらしい.また,ギコギコ刻むのではなく,上から力をかけ,切りきることが大事なようだ,
刻んだうどんはゆでられる.麺職人(丸亀製麺の社内制度のようだ)である校長先生がゆでていく.威勢のいい掛け声とともにゆでていき,順次提供される.冷やしぶっかけうどん,温ぶっかけうどん,温かけうどんの希望が伝えられるようになっていた.
その間,おいなりさんと向き合う時間があった.うどんとかき揚げを目にして,我々の食欲はMAXに達している.丸亀製麺のご飯系メニューであるおいなりさんを実際に詰めて,食してみようという時間だ.各チームごとにおいなりさんの生地と酢飯が提供され,生地に詰めていく.三角形の端の部分にもご飯が詰まっていくように調整していく.完成したら,みんなで「いただきます!」うどんがゆであがるのを待ちながら,腹ごしらえだ.
うどんがゆであがった頃,天ぷらのかき揚げも揚げられた.目の前で,選んだ野菜たちが揚げられていき,お皿に提供される.席に戻って,うどんとともに味わう.うどんも麺職人である校長先生の茹でたてである.
最高潮のおいしさである.自分が作ったうどんと,自分が選んだお野菜のかき揚げが,こんなにおいしいとは.このおいしさは体験しなければ味わえない.普段丸亀製麺で味わっているうどんにどれだけ愛情が注がれているか,やっと味わうことができた.
最後に校長先生のコメントによって締められた.うどんを作るために,これまで体験してきた幾重にも渡る工程があること.天ぷらのかき揚げに使っているお野菜を作っている農家のみなさんへ思いを馳せること.普段,食事を提供してくれる,両親,パートナー,飲食店の皆さんへの感謝.とてもハートウォーミングな雰囲気となり,教室は散会した.
上記までは教室の記録だが,以下に私の感想を述べておこう.まず,うどんを作るのにこんなにたくさんの工程がある(苦労がある)とは思わなかった.3種類の原料と向き合うという,原始的と思いきや苦労のある時間だった.カウンターを通りながら,当たり前にうどんが提供されることのありがたさを思い知る時間だった.うどん愛が芽生える瞬間であった.何より,立川まできてよかったと感じた,