見出し画像

帰らないといけない日

テツのお散歩でいちばんの近所の公園に、『調整池』といわれている公園があります。
敷地の真ん中にで〜んと、溜め池があります。池はすり鉢状で、水辺には柵が巡らされていて近寄れなくなっています。
水辺をぐるりと回れる散歩道があるといいなぁと思いますが、池と道路の間に駐車スペースと散歩道、雑木林、公共トイレが直線的にあるだけです。

春はこんな感じ。駐車場に向かう方向右手に池がある
秋の夕方はこんな感じ。駐車場から出て行くと左手に池


この、地味でなんてことのない池に白鳥が渡ってきます。ここは四つ足の動物も人間も近づけないので、彼らにとっては安全な寝ぐらなんだと思います。
ちなみに小さくて首の短い鳥(カモ?)は年中います。

ざっと数えるに50〜60羽(ざっとな感じです💦)。
群れは4チームくらいに分かれて行動しているみたいです。
早めに公園に着くと、わずかな数ですが必ず白鳥がいるので、1チームはお留守番組なのかなぁと思います(やたらと早く帰ってきたチームかもしれませんが)。
残りのチーム(3チームくらい)は、日没前までに(今頃だと4時半前後くらいでしょうか)、別々のタイミングで帰ってきます。
それぞれ、川や田んぼとかにご飯を食べにいってるのかな?

帰ってくる瞬間を撮りたいのですが、むずい!
カメラがこんなに斜めった。すでに着水
ザザーと音を立ててスイ〜と水に浮かびます

その帰ってきた時に出くわすと、とってもおもしろい!
「帰った〜〜!! 今帰った〜〜!」
「おかえりおかえり〜〜! どうだった〜〜?」
「めっちゃ楽しかった〜! そっちはどうだった〜〜?」
って会話をしているのではなかろうか、というほど騒々しいのです。
再会を喜び合っているのかな。たった一日なのに、毎日繰り返しているのかな・・・って思います。

3番目のチームが帰ってきたところ。
動画は撮れましたが、載せ方がよくわからないので、
迫力が伝わらないと思いますが、写真のみでごめんなさい

いつ帰ってくるかと身構えて待っていても、なかなか帰ってこないと、スマホをいじったりテツを構ったりしてしまいます。そんなタイミングで白鳥たちは戻ってきます。
すると近くにいた知らないおばさんが、「きたぞ〜!」っと叫んでくれます。
(あ、スマホがポッケから出てこない。今なのにぃ〜〜!?)と、慌ててバタバタしてるうちに、もう白鳥たちは水の上。

粘りましたがもう帰ってくる気配がないので、多分お出かけチームは3チーム目が最後。
これで全員だと思います


私は野鳥のことは無知でぼんやり眺めるのがせいぜいですが、鳥たちがガーガー言いながら羽ばたき音を轟かせ、ザザーと着水する様は、本当に美しくて圧倒されます。
でもなんでその池? って思います。

観察者は、いつもこの公園をお散歩している近所の人くらいです。白鳥が帰ってくるとお散歩さんたちも散り散りに帰っていきます。どんどん日が暮れて寒くなりますから。
池の淵には散策路やベンチなどがありますが、規模が小さいからか犬のお散歩さんもあまり多くありません。

日が暮れてきました。
写真で見るといいところに見えますが、実際地味です


寒いから、風が強いから、雪だから。
なんだかんだでなかなか行けないまま、よし、今日こそ!というお散歩日和に出かけて行った昨年の、二月終わり頃だったでしょうか、もう白鳥はすっかりいなくなっていました。

いったい白鳥たちの中の誰が、「今日行こう!」って決めるんでしょう。
こんなに季節がチグハグになっていても、帰らないといけな日って、どうやってわかるんだろうって、不思議に思います。

帰り道、寒い

どこまで、どのくらいの距離を飛んでいくんだろう。


今年こそは旅立ちの日を見届けたいので、さて、二月になったからにはこまめに池まで通いたいけれど、連日寒さに負けています。






いいなと思ったら応援しよう!

アトリエわたりねこ
最後まで読んでくださってどうもありがとうございました!