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【年末年始に読める!】小売×デジタルをこれから取り組む人への入門書6選+α

こんにちは。今日(12/29)から年末年始休暇の方も多いのではないでしょうか。この期間だからこそ特定のテーマの関連書籍をイッキ読みすることもできるかと思い、最近自分のチームに新しくジョインした方向けに整理した「小売×デジタル」領域の入門書をnoteでも紹介します。

自己紹介と執筆背景

私自身は、LINE株式会社の広告・法人事業本部にて「リテールメディア」領域の事業開発・アライアンスの仕事をしています。販促領域に関わり始めてから4年ほど経つのですが、その前は小売とは全然違う業界向けにデジタル広告の営業をしていたので、最初は小売特有の業界事情の理解に時間が掛かりました。(意外と書店にふらっと寄って買えるほどのメジャー本が少ない…!)
一方で昨今、小売DXOMOニューリテールといったキーワードが急速に注目を集め始めています。来年から本格的にこの領域でビジネスすることになっている人も多いのでは思い、トレンド解説本だけでなく、そもそもの基礎知識になるような本を集めてみました。

まず抑えるべき入門書6選

本記事のヘッダー画像で既にネタバレしてますが(笑)、まずは以下6つの項目を基礎情報として最初に網羅しておくと良いと考えました。

1.小売業とは何か?(過去~現在)
2.中国で勃興した小売DXトレンド
3.日本における小売×デジタルの最先端
4.ID-POS分析
5.CDP導入・活用
6.販促自体の基礎知識

上記1~6に該当するオススメ本がこちらになります。

オススメ本

小売業の本質: 小売業5.0

店舗のICT活用研究所 所長の郡司氏の初著作。小売業の歴史から、現在の小売業の課題、新潮流まで丁寧に書かれている本です。セルフ出版本のため、編集や装丁は粗削りな部分はありますが、ドラッグストアを中心に小売に長年携わられている著者だからこその超長編noteを読んでいるような気分になります。書籍紹介にも以下の記載があり、まさに私もドンピシャなターゲットでした。笑

ITベンダーに勤務していて「小売業の仕組みを知りたい」方がDXの前に知っておくべきことを理解する助けになることを意識して書きました。

事例でわかる 新・小売革命 中国発ニューリテールとは?

数年前に一世を風靡した中国の小売DXについて事例も交えて詳しく解説されている本です。2021年時点では"最新トレンド"では無くなっていますが、根源の部分は今もしっかり継続した潮流なので、「一時期騒がれていたニューリテールって何だったんだっけ?」という方に特におすすめです。
OMOを扱った書籍の代表格であるアフターデジタルを小売に特化させたような内容になっています。

リアル店舗の逆襲~対アマゾンのAI戦略~

中国のニューリテール界隈や米国のウォルマートばかりが持て囃される印象があるかと思いますが、日本の小売業界も水面下でDXを推進してきた企業が何社もあります。その筆頭がトライアル・ホールディングスサツドラホールディングスです。そんな2社のDX戦略を取り上げた本書の執筆陣は、リテールAI研究会で活動するメーカー、卸売業、小売業、ITベンダーの実務担当者。本来ならば競合関係にあたるような会社同士も含めて、オープンイノベーション的に共創した軌跡が描かれています。中国や米国の単なる模倣ではなく、日本の特性や社会背景にあったDXを進めていかなければならないということ・ピンチだからこそ大きな進化のチャンスがあり決してそれは悲観的になる必要は無いということが腹落ちできる1冊です。

ID-POSマーケティング――顧客ID付き購買データで商品・ブランド・売り場を伸ばす

ID-POSってそもそも何のことを指しているかご存知でしょうか?この文脈においては"顧客ID付きPOSデータ"のことを指しており、ユーザー(ID)単位で長期間にわたって購買行動が捕捉できているデータを意味します。
・誰が買っているのか?
・ 自社商品の真の競合は?
・ 何と一緒に買われている?
・優良顧客を獲得するには?
これらを把握して次なる打ち手を考えていくために必要な、メーカー営業・マーケター・商品MD・販売マネジャーなど多くの方にとって、店頭販促の基礎知識として必ず押さえておきたいジャンルです。
昨今、小売業にとっての新たな収益ポイントとして注目されている「リテールメディア」にとっても、このID-POSを活用した広告効果測定やターゲティング配信は切っても切り離せない関係にあります。
小売業界のマーケティングにおける醍醐味とも言える領域ですので、体系的に学んだことが無かった人にはぜひオススメも1冊です。

ユーザー起点マーケティング実践ガイド

CDPというワードを最近よく耳にしませんか?この本は直接的には小売業界を言及した本ではないですが、小売業界でもCDP導入が急速に進んでおり、データマーケティングやCRMを実現したいくうえで頻出の話題になってきています。

■CDP(Customer Data Platform)とは
CDPは、オンラインとオフラインの両チャネルにおける顧客の行動データを統合して蓄積し、利活用することのできるデータ分析基盤です。
これからの時代において、増え続ける顧客データを適切に管理し、顧客体験を向上させるために必要不可欠なものとなります。

この本の良いところは、CDPとは?という概念の解説に留まらず、データ活用によって実現できることを多様な業種の事例をもとに紹介されており具体イメージがつき易いところです。データ関連の議論になると必ずと言って良いほど「結局、それで新しく何ができるようになるの?」という話題になります。そういった時に、この本で読んだ知識がきっと役に立つはずです。

デジタルで変わる セールスプロモーション基礎

小売やメーカーにとっての"販促"の現場に必要な基礎知識と情報を体系化した新しい時代のセールスプロモーションの教科書です。業界基本用語の解説などの教科書的な部分だけでなく、生活者の購買導線が可視化され、データ化される新たな時代におけるセールスプロモーションのあり方も分かり易く言及されています。デジタル広告畑にいると、「店頭販促」とは縁遠い存在であった人が多いかと思います。(私もそうでした)

今後、小売関連の商談で繰り広げられる話題に最低限付いて行くためにも、本書の内容を頭に入れておくことは大きな手助けになるはずです。

その他の関連オススメ本

ここからは、入門書6選には入れられなかったものの、小売×デジタルの領域の深い理解やアライアンスなどビジネスを進めていくうえで役立った本を紹介します。

需要創造とソリューションを武器とする ドラッグストアの教科書

ドラッグストア業界に特化した解説本。ここ10年ほどで急速に市場が拡がっており、存在感を日に日に増しているドラッグストアがなぜここまで成長できたのかを詳しく解説されている良書です。ドラッグストア業界を担当する営業やアライアンス担当の方は特に必読。

スーパーマーケット近未来戦略

上記の本のスーパーマーケットverという感じの本。「ドラッグストアの教科書」よりも、直近のスーパーマーケットの業界事情や勝ちパターンなどにウェイトが寄っている内容になっています。顧客としてスーパーマーケットを担当している方にオススメ。

アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る/アフターデジタル2 UXと自由

OMO関連書籍で恐らく最も有名な書籍。小売に特化はしていないが、O2O⇒OMOへの進化を本質論からしっかり解説してあり、もはや共通言語となっている感もあるベストセラー。業界・業種問わず、DXに関わる全てのビジネスパーソンの必読書とも言えます。

戦略策定・交渉・契約・実行がわかる 成功するアライアンス 戦略と実務 

小売業界とのビジネスにおいて、1クライアントとしての発注する・受けるという関係性だけではなく、双方の経営資源を出し合って、協働プロジェクト化していくというケースも少なくないと思います。各社がwin-winになる座組みを自らリードしていくためにも、体系的に一度読んでおいても良いかと。

終わりに

以上、私自身がほぼ知識ゼロから、小売や販促の領域にデジタル側から足を踏み込んだ経験の中で役立った書籍を紹介してみました。
もちろん、今回取り上げていない本もきっと素晴らしいものがあると思いますので、ぜひTwitterなどで皆さんのオススメ本も教えて頂けると嬉しいです!

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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