場にゆだねるということ。(マインド編)
こんにちは、佐藤です。
今日は前回、PBL覚書として書いた「委ねる」ことの続きを少しまとめたいと思います。前回はテクニックというか考え方みたいなことを書きました。今日はどちらかというと頭よりも心の在り方に注目します。未読という方はぜひ1つ前の記事から読んでいただけると僕の言いたいことがより伝わるかと思います。
「委ねる」ことは場を「ホールド」しつつ、「放牧」するイメージということを前回は書きました。また、放牧場の広さ=余白が大きいと、それだけいろいろなことが起こる可能性があり、それを事前に予測しておくという準備があるからこそ可能になるとまとめました。
この事前のシミュレーションをした上で、より大事なことがあります。
それは、その予測を全て保留して「場」に臨むこと。
予測が頭の中に残っていると、どうしてもその流れにしたくなりがちです。だって、それは運営者の「こうなってほしい」という心の表れですからね。それが強くなりすぎると「そのイメージ通りに行かなければダメだ」という思い込みに変わってきます。結果、それ以外は失敗である、と考えるようになり、事前のイメージから逸れることを極端に恐れるようになります。
この文脈からちょっと考えてほしいことがあります。それは「失敗とは何か」ということです。
いろんな考えや価値観を持つ人たちが即興的に集まってアウトプットを出す際に、予定調和なことが起こるはずがないですよね。ましてや社会的な時勢も日々変わる中、個々人の心理的状況も千差万別です。
僕はこんな状況で事前の予測通りに全てが行くほうがおかしいと感じます。むしろ予測通りに行く、ということはそれだけ場に介入しすぎということなのではないのかなと。だから、出てきたものが「答え」であり「正解」だと考えています。この考え方からすると「失敗」と言えるものは何もないと思っています(ちょっと行き過ぎかもしれませんが)。
もちろん想定を持つことは重要です。それが運営者の心のガイドになるわけですし。でも、それよりも大切なのは、場から出てきたモノ(アウトプットもプロセスも)全て「肯定的」に受け止めることです。思ってもないことが出てきて楽しい!というような感じ。
「委ねる」時に運営者に必要なのは、予想外の事態が起こることに恐れるのではなく、起こること全てを楽しむ心の余裕。いわゆる「胆力」なのだと思います。